2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13584
|
Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
吉田 正生 文教大学, 教育学部, 教授 (20261373)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 社会参画 / 公‐共‐商‐私 / 実践的知識 / 社会的役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究は、次の2つの学会誌論文(①,②)及び『学内紀要』の論文(③)、中間報告書(④)というかたちでまとめることができた。 ①主権者教育としての社会科カリキュラムと授業構成‐「社会参画学習論」を土台に据えて‐(社会系教科教育学会『社会系教科教育学研究』第29号、2017年 pp.1-10。 ⇒これは第25号に掲載された論文「小学校社会科『社会参画学習』の授業プラン」の続編ともいうべきもので、授業実施に当たって困難点をどう乗り越えるか。また社会参画学習論で社会科カリキュラムをどう組むことができるかを論述した。 ②授業書「明治政府の国づくり・国民づくり」の開発‐ 美術・音楽政策を組み込んで‐(全国社会科教育学会『社会科研究』第88号、2018年 (近刊)⇒これは、社会参画学習の授業を歴史教育にどう応用できるかを、実際に授業プランを示すかたちで論述したものである。 ③中学校社会科歴史教科書における「日本画」関係記述の改変‐「国民国家」観の拡大と「伝統・文化の担い手」育成をめざして‐(文教大学『教育学部紀要』第51号、pp.25-44.⇒これは、上記の授業書づくりのための教材研究の過程で生まれて来たものである。現行の中学校教科書では、「日本画が西洋諸国に負けないような「国民国家」づくりのための文化政策のなかで生み出されてきたものであることが全く取り上げられていないという問題点を指摘した。また、現行の教科書記述の今一つの問題点として、岡倉天心やフェノロサの社会的地位についての記述がないため、彼らの仕事が官僚としてのものであった、彼らは仕事上の役割を果たしたのだということも捉えられずこの2人を偉人視してしまう傾向を生むということをあげた。 ④「社会参画学習」論による社会科授業の開発(中間報告)全88頁
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「予期以上に」とできなかったのは、授業開発を担当している教諭たちの進捗状況が今一つ遅れているからである。当初の予定では、この時期には一人1本の授業を開発するだけでなく(ここまでは出来ている)、実際に授業をやってみてその授業をみんなで検討するというところまで、やることになっていた。だが、授業開発に思った以上に手間取り、まだ開発授業の実施・授業記録の作成というところまでには至っていないため「おおむね順調に進展」という評価にした。
|
Strategy for Future Research Activity |
次の三つのことをやって、最終報告書を作成する。 1)夏休みに授業開発担当者たちに集まってもらい、互いの指導案を検討する。また、困っている問題について話し合う。 2)9月8日(土)にシンポジウムを行い、吉田が歴史学習に社会参画学習論をどう適用するか発表する。これは社会参画学習論の学生(将来の教師)や小・中学校の社会科教師への浸透を図るためのものである。 3)冬休みに授業開発者たちに集まってもらい、授業報告をしてもらう。ここでの報告を最終報告書に載せる。
|
Causes of Carryover |
予定していた授業プラン開発者との会議が開催できなかったこと、また学会出張が予定より少なかったためである。すなわち、旅費と謝費が大幅に不要となってしまったためである。 シンポジウムを開く。この関係で謝費や消耗品、旅費などに前年度の残した分を回す。また、パソコンを購入したい。
|
Remarks |
上記いずれのホームページにも社会参画学習論に立つ授業プランの学習指導案が載っている。また、研究会やシンポジウムの案内も載る。
|
Research Products
(6 results)