2017 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム児の診断名の理解と受け入れに関する研究
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16K13600
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 知加 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (30581558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 裕子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 講師 (40586377)
辰巳 愛香 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (80600551)
吉崎 亜里香 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (90600552)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、自閉スペクトラム症の子どもに自己の自閉スペクトラム特性についての理解と診断名を告知されたときの体験について、子どもと養育者にインタビュー調査を実施した。新たに2名のインタビューを実施し、合計4名のインタビューが実施された。今年度に新たに実施した事例を報告する。 初期の段階で担当心理士から特性についての詳しい説明がなされた事例では、小学校4年生の告知後もカウンセリングにおいて、特性に合わせた工夫を検討しつつ生活し、中学3年生となっていた。診断名告知を受けたことで、周囲の理解を得ることができ、生きやすさにつながったという語りがなされた。また、将来についても特性に合わせた生き方でないと難しいと語った。 一方で、トラブルを契機に養育者からの特性説明があった事例では、小学5年生時に診断名告知があるものの、通常診察のみで本人と自己理解を進めるようなセッションがもたれることはなく、また、現段階まで一度も医師から詳しい特性説明を受けていなかった。自身の診断名を耳にすることも苦痛だと語っていた。自閉スペクトラム特性に関する理解は2事例で大きく違いはなかった。 このことから、現段階での特性の理解よりも、どのような形で特性を説明されたかということが重要である可能性が考えられた。本研究の結果をもとに、他機関の研究者らが主導している、自己理解とケアのためのプログラム作成に協力した。今後も事例を増やし、検討を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビューした事例において、追加の面接を行い、自閉スペクトラム特性についての説明を行う必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー対象者を引き続き募集し、実施する。また、すでに実施したインタビューについて詳細に検討を実施する。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査を計画通りに進めることができていないため
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