2016 Fiscal Year Research-status Report
早期からの継続的支援のためのAD/HD幼児における抑制機能の発達特徴の解明
Project/Area Number |
16K13604
|
Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
津島 靖子 就実大学, 教育学部, 講師 (30710082)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞田 敏 福山市立大学, 子ども学科, 教授 (60098126)
岡 牧郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (60432647)
荻野 竜也 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90335597)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | AD/HD / 幼児 / 抑制機能 / 発達過程 / 早期支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,医療機関を受診する注意欠如・多動性障害(AD/HD)傾向を示す未就学児の抑制機能における発達的特徴を捉え,AD/HD特有の発達特徴が就学後に及ぼす影響を検討することである。平成28年度は,就学前から就学後までの年齢帯における認知特性を縦断的に検討するために,就学前の年齢から実施できる評価法の検討を行った。抑制機能に関しては,これまでに研究代表者らが行ってきた抑制機能を反映するContinuous performance test(CPT)による予備的検討を踏まえて,発達過程を捉えるに有効な指標を検討した。高頻度刺激提示確率で刺激提示間隔変動を伴うCPTでは,反応時間の指標において,刺激提示の遅延による影響を検出しやすく,反応を調整するシステムにおける幼児期の AD/HD特有の発達の様相を捉えうる指標であることが確認された。次いで,就学後への影響を検討する評価法を確定するためにAD/HDに関する文献検討を行った結果,アカデミックスキルの獲得に困難を抱える児が存在することが明らかとなり,AD/HD特有の発達特徴がアカデミックスキルの獲得に影響を及ぼすかどうかを検討する必要性が示唆された。これらのことから,就学後における影響を測定する方法として,CPTの刺激提示間隔変動における指標ならびに保護者によるAD/HD 症状への質問紙に加えて,就学後の学業への影響を予測した要素を含めむ評価が必要と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,研究1)AD/HD幼児の抑制機能における発達特徴の検討,研究2)AD/HD特有の発達特徴が就学後に及ぼす影響の検討,という2つの研究からなる。今年度は研究2における就学後への影響の検討における学業への影響が予測されたため,この点を含めた評価法の確定を優先させた。そのため,データ収集開始が平成29年度開始に変更となったが,今後は概ね研究計画に沿った遂行が可能と考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,定型発達児ならびに医療機関を受診する対象児の研究協力者を確保し,平成28年度に確定した評価法を用いてデータ収集を行う。本研究では,臨床例の知的水準および服薬条件を統制した上でデータ分析を行うため,協力を依頼する施設を増やして研究協力者の確保に努める。
|
Causes of Carryover |
平成28年度は評価法の再検討を行い,研究データ収集開始を平成29年度に延期したため,当初予定した費用を予定通り執行できなかった。平成29年度使用額は,平成28年度に予定した費用と実際の使用額との差を加えたものである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費,謝金,学会参加費・旅費
|