2016 Fiscal Year Research-status Report
力検出を用いた近接場光学顕微鏡の有機分子の画像化機構の研究
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16K13616
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菅原 康弘 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40206404)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まず、共振周波数の高いカンチレバー(力センサー)を使用できるように、変位検出計(光ファイバ干渉計)の高周波化と低ノイズ化を実現した。具体的には、変位検出計に高速オペアンプを導入し、高周波化を実現した。また、検出感度が光源(半導体レーザ)のノイズにより制限されているので、変位検出信号から光源のノイズ成分を差し引くことにより、変位検出計の低ノイズ化を実現した。 次に、近接場光による力を高感度・高分解能に測定するため、カンチレバーのQ値を向上させる方法について検討した。その結果、カンチレバーのQ値を向上させる、カンチレバーとカンチレバーホルダーの保持方法を見出した。カンチレバーの高いQ値を利用した共振モードの動作により、力の検出感度が大きく向上した。 本研究では、振幅変調された光をカンチレバー先端に照射し、カンチレバーの周波数シフトに現れる変調成分をロックインアンプで検出すことにより、近接場光成分を測定する。近接場光を高分解能に検出するためには、バックグランド光を低減した光照射系を実現するとともに、光照射に伴うカンチレバーの熱振動の影響を低減することが重要である。そこで、光学レンズやプリズム表面での不要反射が極限まで低減するように照射光学系を改良した。また、ヘテロダイン(周波数変換)技術を利用し、カンチレバーの熱振動の影響を低減しながら、近接場光成分を選択的に測定する方法を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、近接場光を力として高感度・高分解能に測定するため、近接場光学顕微鏡の様々な構成要素の低ノイズ化を目指した。その結果、カンチレバーの変位検出計の高周波化と低ノイズ化を実現することに成功した。また、力検出の超高感度化と超高分解能化にも成功した。さらに、バックグランド光を低減した光照射系を実現した。このように当初の研究目標をクリアーに、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、近接場光の分布を高感度・高分解能に観察できることを実証する。次に、試料表面としてサファイア(α-Al2O3)表面を取り上げ、その表面のアルミニウム原子(Al)がどのように撮像されるかを理論的・実験的に検討し、画像化機構を解明する。また、試料として表面に吸着したフタロシアニン分子などを取り上げ、そのσ軌道やπ軌道が、どのように画像化されるかを理論的・実験的に検討し、画像化機構を解明する。
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