2017 Fiscal Year Research-status Report
多機能性ペプチドのナノ構造制御による細胞剥離ファイバーの開発
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16K13623
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高井 まどか 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40287975)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ペプチド / 細胞 / 捕捉 / 剥離 / 酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までは、血中循環腫瘍細胞(CTC)をターゲットとして研究をしてきたが、さらなる応用展開のためには、血液中の白血病細胞など、抗体のアフィニテーを用いて、その他の細胞を捕捉の可能性を探る必要がある。そこで、対象のがん細胞を、白血病細胞とし、細胞分離システムの開発を行った。まず、抗体として、anti-CD45抗体を用いた。まず、目的としたEoL1細胞に、CD45の発現を、フローサートメトリーにより確かた。ポリスチレンマイクロファイバーにanti-CD45抗体を固定化することで、EoL1細胞捕捉が可能であった。捕捉されたEoL1細胞の剥離を次に試みた。ペプチドを結合させた抗CD45抗体を固定化した二次元基板による細胞捕捉を試みたが、ペプチドを結合させた抗CD45抗体に対してEoL1細胞の捕捉ができなかった。原因を確認するため、CTCモデルのMCF-7細胞とEoL1細胞のターゲット抗原の発現量を比較した。MCF-7のEpCAM発現量と比較し、CD45の発現量が少なかった。これらの結果より、発現量の少ないターゲット細胞に関しては、抗体の固定化量を増やす必要があると察した。これらの問題点を解決するため、抗体を低分子であるペプチドアプタマーに変更した。ペプチド配列RAL(Arg-Ala-Leu)は、ファージディスプレイによって白血病細胞に吸着する配列として発見されたものであり、我々の実験においてもヒト好酸球由来の白血病細胞であるEoL-1細胞に対してアフィニティがあることが分かっている。このRAL配列およびコラゲナーゼで分解するコラーゲン配列、そしてポリスチレン基板にアフィニティのあるポリスチレンタグをもつペプチドを合成した。現在細胞捕捉と剥離を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今までターゲットとしてきた血中循環腫瘍細胞(CTC)から他のターゲット細胞においても、同システムで捕捉ができることを示せた。
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Strategy for Future Research Activity |
報告で記載したように、CTC以外のがん細胞や白血球を対象として、細胞を捕捉する可能性を探ったところ、捕捉する細胞により、膜に発現しているタンパク質の量が異なり、これが捕捉率に大きな影響を与えることがわかった。抗体の固定化密度を上げることで、捕捉率をあげることが可能であるため、抗体からペプチドアプタマーへ変更して選択性を見出す。
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Causes of Carryover |
血中循環がん細胞だけでなく、本マイクロファイバーとペプチドを用いたデバイスシステムの開発までを研究課題として実施する目的としたため。
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Research Products
(10 results)