2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell detachment microfiber controlled by nanostructure of functional peptide
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16K13623
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高井 まどか 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40287975)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞分離 / ペプチド / 抗体 / 血液細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞の回収技術として、蛍光抗体で細胞をラベルして分離するFACS(Fluorescence-activated cell sorting)や、抗体を結合させた磁気ビーズで分離するMACS(Magnetic cell sorting)などが広く用いられている。しかしながら、FACSは抗体による細胞の前処理が必要であり、MACSは細胞に磁気ビーズが残ることが課題となっている。また、これまで研究されてきた捕捉細胞の剥離方法は、UVやDNaseの利用など、細胞が有する核酸やタンパク質に影響を及ぼす手法が殆どであった。そこで本研究では、基質が細胞外マトリックスにしか存在しない酵素であるIV型コラゲナーゼを細胞回収剤として選択し、ダメージなく細胞を回収することを目的とした。 細胞剥離を目的としたコラゲナーゼ認識ペプチドをマイクロファイバーに固定化し、細胞の捕捉を抗体を用いて行った。 細胞捕捉に関しては、マイクロファイバーに固定化した抗体の密度に依存すること、また抗体が認識する細胞膜抗原密度に依存することがわかった。剥離に関しては、コラゲナーゼにより剥離が可能であったが、剥離率が50%以下と十分な値でなかったため、コラゲナーゼ認識ペプチドと抗体の間にポリエチレングリコール(PEG)をリンカーとして入れて検討をした。PEGの分子量依存性を検討したところ、分子量が高いと捕捉率が低下することから、最適なPEG鎖長が存在することがわかった。 さらに、血中循環がん細胞(CTC)を捕捉・剥離することを第一目的として研究をしてきたが、血液がんである白血病においても白血病細胞の存在量を知ることが治療において重要であることから、白血病細胞をターゲットとして細胞捕捉を行なった。白血病細胞に発現する抗原をターゲットとし、本マイクロファイバーシステムで捕捉、剥離することが可能であることを確かめた。
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Research Products
(15 results)