2016 Fiscal Year Annual Research Report
Measurement of enzymatic reaction using graphene and its application
Project/Area Number |
16K13638
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 尭生 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00752875)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グラフェン / 酵素反応 / 電界効果トランジスタ / マイクロウェル / ヘリコバクター・ピロリ / デバイ長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グラフェンのユニークな特性を利用した生化学研究のための新たなプラットフォーム"Lab on a graphene"構想の第一歩として、グラフェントランジスタ表面のセンシング領域がデバイ長の範囲内にとどまるという問題を解消するため、「酵素反応産物による電気的な生体分子検出」と「反応系のマイクロメートルスケールへの封じ込め」を用いたバイオセンシング技術を開発した。 まず、アルミナ及び非晶質フッ素樹脂を用いて、グラフェントランジスタ上にマイクロメートルスケール、フェムトリットル体積のマイクロウェルを構築した。グラフェン上にアビジン/ビオチン反応を用いてウレアーゼを固定化した上で、ウェルの封止と開放を繰り返すと、アンモニア生成に伴う指数関数的なドレイン電流変化が繰り返し計測された。これは、グラフェン上にフェムトリットル体積の閉じた反応場が構築できること、その内部に反応産物を閉じ込めることで、ごく微量の固定化ウレアーゼの反応を高感度かつ安定的に検出可能であることを示している。 次に、グラフェン上にヘリコバクター・ピロリ抗体を修飾し、そこにピロリ菌を捕捉してウェルを封止したところ、ピロリ菌の持つウレアーゼの反応に起因する指数関数的電流変化が計測された。電流変化の時定数からウェル中に捕捉したピロリ菌の個数を概算すると、菌体数個分に相当するごく微量のピロリ菌を検出できていたことがわかった。抗体の大きさは本実験系のデバイ長よりはるかに大きなものであり、マイクロウェルと複合化したグラフェントランジスタで酵素反応産物を計測することにより、デバイ遮蔽による限界を超えた高感度なバイオセンシングが可能であることが実証された。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Glycan-functionalized graphene-FETs toward selective detection of human-infectious avian influenza virus2017
Author(s)
Takao Ono, Takeshi Oe, Yasushi Kanai, Takashi Ikuta, Yasuhide Ohno, Kenzo Maehashi, Koichi Inoue, Yohei Watanabe, Shin-ichi Nakakita, Yasuo Suzuki, Toshio Kawahara and Kazuhiko Matsumoto
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Journal Title
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 56
Pages: 030302
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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