2016 Fiscal Year Research-status Report
Single-molecule fluorescence detection of kinesin and ATP using nanotracks
Project/Area Number |
16K13644
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横川 隆司 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10411216)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 分子モーター / 生物物理 / ナノバイオ / 1分子計測(SMD) |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,LZMW(ナノトラック)幅の最適化をFDTD法による電場解析により実施した.円形のZMWに対して励起光を導入した際の解析結果を参考に解析をおこなったところ,偏光が平行な場合にのみ10倍程度の増強が得られると計算された.また,トラック幅が狭い方が電場の閉じ込め効果は大きく,LZMW上方に存在するバルク溶液の励起を抑えられ,一方で励起強度は幅160 nm程度で最大となることを確認した.この閉じ込め効果と励起強度の相関を考慮しながら,幅100~200 nm程度のトラックを製作した.電子線描画の際のレジストの膜厚を3000-5000 rpmの回転数,ドーズを70-400 uC/cm2の範囲で条件検討し,3000 rpm, 300 uC/cm2が最適であることを見出した.さらに,これまでのベクタースキャンを用いた描画装置から,Character Projection(CP)方式の描画装置に移行することで,描画のハイスループット化を図った. LZMW内への微小管-キネシンアッセイ系構築のため,幅100~200 nmのトラック内に微小管を導入する方法を検討した.ガラス表面にキネシンを固定し微小管運動アッセイにより導入し,グルタルアルデヒドを用いて固定した.処理後に再度ATPを導入しても微小管の運動が見られないことから,LZMW内のキネシンはATPase活性を有しないことを確認した.また,固定した微小管上を動くQ-dotキネシン(Q-dot 525)を確認しており,今後は1分子計測の検討をおこなう予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度においては,当初予定していた電場解析とLZMWの製作をすべて実施できその成果が得られている.さらに,LZMW内でのタンパク質アッセイ系の検討も始めており,平成29年度に予定していた課題の一部に取り組むことができている.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に試行した微小管の導入・固定,およびQ-dotラベルしたキネシンの運動観察において,キネシンのステップ計測とATPの同時観察を目指す.さらに,LZMWの計測技術がフィラメント状のタンパク質全般に使えることを実証する.
|
Causes of Carryover |
LZMWの電場解析に時間がかかったため,タンパク質アッセイの頻度が低く試薬の消費量が少なかったことにより物品費があまりかからなかったことが,次年度使用額が生じた理由である.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
タンパク質アッセイの頻度が上がる予定であり,物品費に使用する予定である.
|
Research Products
(11 results)