2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a crystal oscillator based chemical calculator with a micro/nano fluidic circuit
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16K13649
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安部 隆 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00333857)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水晶センサ / マイクロ流体回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロ流体回路を融合させた水晶発振回路を用いて、微小液滴の生成プロセスと液滴内の濃度分析を時差式で計測する手法の実証を試みた。液滴数と生成した液滴内の濃度分析を単一回路からの周波数応答の出力を時系列で分析するアルゴリズムで解析できることを実証した。また、イオン種による違いを多周波で分析する手法と出力を最大値とする電極面積の設計ルールを見出した。以上の成果は、国内会議に発表するとともに査読付き論文に掲載された。当初、マイクロ流体との融合を目標として、味分析、尿成分分析やアミノ酸組成の解析などへの利用を考えて研究を進めていたが、展示会へ出展し調査すると、企業の視点は全く異なっており、培養液や水質(廃液)の管理などへの応用が期待されていた。特に、水質と関わるイオンの種類と濃度を非接触で推定する技術は、インフラや環境の管理に関わるビジネスで大きな需要を有することがわかった。そこで、研究計画でも触れているが、電気的にほぼ等価なマクロ流体と融合した回路への本技術の応用研究も進めた。その結果、ペットボトル容器内の硬度測定、炭酸濃度の変化(炭酸の抜ける量)の測定をペットボトルから炭酸水を出さずに実施することに成功した。さらに、分析が困難な水和半径がほぼ同じイオンについて、磁界の有無による周波数応答の差からイオンの違いを分離できることを見出した。以上の成果について、国内学会で発表した。その他に、本研究と関連する複数の周波数で駆動する水晶発振回路式複合センサを用いた誘電性、容量性を計測する技術について優秀講演賞を受賞するなどの評価も得た。本萌芽研究では、次のステップにつながる信号源、回路、流体回路との融合に必要なノウハウなど数多くの基盤的技術を獲得することができた。今後も、1滴を計測できる複合センサなどの成果についての成果を3件発表予定であり、研究を継続する予定である。
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Research Products
(5 results)