2018 Fiscal Year Annual Research Report
Continuous adhesion and detachment using liquid
Project/Area Number |
16K13654
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
西尾 和之 東京工科大学, 工学部, 教授 (00315756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 界面 / 親水性 / 多孔体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2つの平面試料を上下に向かい合わせて配置し,界面に液体を展開して密着させ,試料を垂直に引っ張った際の接着力を計測する装置を制作した.下側の試料をロードセルに固定し,上側の試料を厳密に垂直に引き上げる方法について検討を進めた結果,試料を固定した円柱テフロンロッドを垂直に配置し,ガイドパイプ内で上下にスライドさせる方式とした.ロッドの回転を防止するため,ガイドパイプに縦にスリットを入れ,ロッドに固定したピンをスリットに入れた.ガイドパイプはX軸・Y軸の移動に加えて傾斜を微調整できる様にした.この装置を用いてガラス板の間に純水を展開して接着力を測定したところ,値の再現性が十分ではないものの,ガラス板の親水性を向上させると接着力が増大し,事前に予想していた結果が得られた.最終年度はガラス表面の親水化方法から検討を始めた.強酸あるいは強塩基性水溶液中での化学的活性化,プラズマ照射による物理的活性化と比較して,ゾル・ゲル法あるいは電子ビーム蒸着法で成膜した酸化チタン皮膜を熱処理し,紫外線を照射した表面で親水性が向上し,紫外線照射後は水の接触角がほぼ0となることが確認された.続いて,多孔質体から液体を浸み出させ,固体界面を接着させる実験は,直径0.3mm,細孔ピッチ0.6mmのステンレス多孔体で検討を進めた.機械研磨によって表面の粗さを取り除き,高さの低い金属パイプを裏側に接着し,パイプから純水を送り込む方法をとった.実体顕微鏡下でシリンジポンプから純水を送液したところ,多孔体の表面に純水を供給できたが,その純水全てを多孔体に吸い戻すことができなかった.これは,加圧による水の展開に対して,減圧による水の吸い戻しのロスが大きく,シリンジポンプの可動域を使い切ってしまったためである.浸み出し用のシリンジポンプと吸い戻し用のシリンジポンプを使い分ける事で,浸み出した純水を吸い戻すことができた.
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