2017 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental and theoretical study on the two-dimensional Al-C material AlCene
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16K13674
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
乗松 航 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30409669)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 2次元物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新規2次元物質として2次元炭化アルミニウムの成長に挑戦し、期待される物性を実験及び理論計算によって明らかにすることを目標としている。 本年度はまず、炭化アルミニウム薄膜とSiC基板の界面構造について、高分解能透過型電子顕微鏡観察によって明らかにした。その結果、SiC[11-20]//Al4C3[11-20]の方位関係を持つこと、さらにSiC最表面の炭素原子と炭化アルミニウムAl4C3におけるAl2C層のアルミニウム原子が直接結合していることがわかった。また、炭化アルミニウムと炭化珪素の格子定数のミスマッチは7%程度であり、前者におけるアルミニウム原子間距離13個と、後者の炭素原子間距離14個分がほぼ等しい。実際、高分解能電子顕微鏡像中の界面には対応する周期構造が観察された。膜成長に際し、成長時間を短縮することで、膜厚約3nm程度の炭化アルミニウムを形成することが出来た。炭化アルミニウムの格子定数cは約2.5nmであることから、ほぼ格子定数に等しい極薄膜が形成されたことを意味している。この試料からは、反射高速電子回折図形でもシャープなストリークが観察され、原子間力顕微鏡像でも平坦な表面が得られていることがわかった。炭化アルミニウム極薄膜試料を、グローブバッグを用いて一度も大気に触れないように輸送し、角度分解光電子分光測定を行ったところ、明瞭なバンドは観察されなかった。これは、アルゴン置換したグローブバッグ内のわずかな酸素によって表面が酸化してアモルファス構造に覆われたためであると考えられる。 以上の結果から、研究期間全体を通じて、2次元炭化アルミニウムの成長に挑戦した。その結果、SiC基板上に非常に酸化しやすい極薄の炭化アルミニウム膜を形成できることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)