2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16K13697
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
米田 仁紀 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 教授 (00210790)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高強度レーザー / 回折格子 / 光学損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
オゾンを含む中性ガス中に、大きな粗密波を生成できることが分かってきたが、それを利用した回折格子の回折効率は、ショットごとのばらつきが20%程度あり、また、空間的な回折効率分布もあることが分かっていた。これを解決するために、書き込みレーザーのコヒーレンスを改善し、さらに、空間的に周期構造を持たせるための書き込みレーザー干渉計内の光学素子の面精度を改善したものを使用した。その結果、これまで100mJ程度のエネルギーで達成していた回折効率が、50mJ程度のエネルギーでできるようになり、また、回折効率のばらつきも、10%以下に低減させることに成功した。最大回折効率は96%にもなり、さらに、この残りの非回折光波、もとの被回折光に含まれている、位相がずれているノイズ光が主成分であることも明らかになった。 これらから、この高フラックス光学素子は、実際のレーザーシステムや、高強度レーザーを利用したレーザー加工やアブレーションシステムの最終段に用いることができ、大きなインパクトを持つことを実験的に実証することができた。 一方、新しい応用を目指し、曲率を持った回折光学系の実験も行った。ここでは、書き込みレーザーの干渉計ないに、デフォーマブルミラーを導入し、片側の波面を変形させることで干渉縞の形状を変化させ、回折波の位相面を制御する手法をとった。この場合、正確には、斜めから回折光学系に入射した波面に適した縞構造を生成する必要があるが、まずは原理実証として、単純な球面波形状で行った。その結果、確かに平行に入射した被回折光も回折波で集光的な光となることが実証できた。
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