2017 Fiscal Year Annual Research Report
Spin control via near-field optomagnetic effects
Project/Area Number |
16K13705
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小川 直毅 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, ユニットリーダー (30436539)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代のスピントロニクスでは, スピン偏極した電子やスピン波を任意/高速に発生し, またその運動を制御する技術が重要となっている. 光によるスピンの制御は最も期待される手法の一つである. そこで本研究では, 光の局所場で発生する軌道/スピン角運動量を 固体中電子系に作用することにより, 物質中での新たな電子スピン励起法の開拓とその実空間観測を試みる. 各種分光実験により, 新たな局所磁性制御法として「近接場の角運動量を用いた光磁気励起」の学理開拓を行う. 平成29年度は(i)SiO2プリズムを用いた光近接場によるラシュバ半導体/トポロジカル絶縁体の光電流励起, (ii)低温ブリルアン散乱によるカイラル格子磁性体のスピン波観測, (III)油浸対物レンズを用いた, カイラル格子金属磁性体の磁気ドメイン観測, を試みた. (i) 大きなスピン偏極光電流が期待されるバルクラシュバ半導体BiTeBrでは, 試料劈開面の平坦性が制御できず, オット配置における近接場励起が確認できなかった. また磁性トポロジカル絶縁体においては, 低温強磁場クライオスタット中におけるプリズムと試料の位置制御が困難であった. これに対し, CdSe単結晶を用いた室温, 可視光励起の実験においては, 光電流は検出されたものの、そのバンドスピン分裂が小さいこともあり, そのスピン偏極性の検出には至らなかった. (ii) 磁気転移温度以下のヘリカル、コニカル、磁場誘起スピン整列相において, 波長100 nmスケールのスピン波とその非相反伝搬を観測した. (iii) Mn:CoZn系バルク試料において, 室温でストライプドメイン, 磁気スキルミオンの探索を行った. 磁気光学効果は確認されたがドメイン構造は判別できなかった. 金属系試料の鏡面研磨を行った際に表面磁性に変化が現れるためと考えられる.
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Research Products
(2 results)