2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Room-Temperature Stable and Flexible Single Photon Source with Controllable Heavy-ion Doping to Atomically Thin Layered Materials
Project/Area Number |
16K13707
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 俊顕 東北大学, 工学研究科, 准教授 (20502082)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 圭介 東北大学, 工学研究科, 助教 (70733161)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 単一光子源 / フレキシブル / 原子層物質 / 不純物ドーピング / プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究三ヶ年計画の最終年度に当たる今年度は、単一光子フレキシブル素子実現のために必須な高品質単層単結晶TMDの集積化合成と不純物ドーピング制御に関する研究を行い、以下の成果を得た。 まず、単一光子源実現のために励起光源内に必ずドーピング密度を制御した単層の高品質TMDが存在する必要があり、TMDの素子内位置選択性を実現する必要がある。そこで我々は核発生点を制御する目的で、あらかじめ基板上に金ドットを配列させた基板上へのTMD合成を行った。その結果、Auドットから優先的にTMDが成長することを見出した。さらにAuドット以外の領域ではTMDが成長しないこと、及びAuドットから成長したTMDが単層単結晶TMDであることが判明した。このことから、本手法を用いることで高度な高品質TMDの集積化合成が可能であることが見出された。実際本手法を応用することで、1.5cm角の基板上全面に35,000個以上の単層単結晶TMDを集積化合成することに世界で初めて成功した。 次に、単一光子発光に必須な、不純物ドーピングに関する検討を行った。上記の手法で合成したAuドットを用いたTMDにおいて、核発生制御として配置したAuドットが、成長前駆体である遷移金属と硫黄の混合物質と反応していることが合成後の解析で明らかになった。これはつまり、Auドット近傍ではTMDとAuが混合した状態の物質が形成されている可能性を示唆している。つまり、Auドットからある程度離れた位置においては、合成された高品質TMD内に極微量のAu原子が不純物としてドーピングされている可能性を示唆している。ドーピングの実証、及びドーピング密度制御には至らなかったが、この手法を活用することで様々な原子をTMD内に原子レベルで密度制御ドーピングし、単一光子発光実現に重要な貢献が期待できる。
|