2016 Fiscal Year Research-status Report
バラスト振動変形挙動評価技術と地震防災・減災機能を強化する鉄道安全技術の構築
Project/Area Number |
16K13734
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
奥村 弘 富山大学, 総合情報基盤センター, 准教授 (30355838)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | バラスト数理モデル / CSFモデル / 有限要素近似 / 固気液連成問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
地震時変形挙動時の「道床横抵抗力」と列車衝撃荷重時の「道床縦抵抗力」に対する定量的推定では、3次元的な砕石および砕石集合体の振動・波動特性と微視的な応力・ひずみ分布を解明することのできるバラスト内の波動の伝播解析により、砕石集合体内部への振動および衝撃波の伝達特性に対するバラスト数理モデルと高精度な数値解析手法が求められる。平成28年度の研究成果としては、NURBSや高次の有限要素近似に基づく数値解析手法を前提とし、それらに親和性の高いバラスト数理モデルの開発を行った。この開発したバラスト数理モデルでは、固気液(個体・気体・液体)連成問題における表面張力の数値解析で用いられるCSF(Continuum Surface Force)モデルに基づいているため、角ばった形状のバラスト砕石からなる道床部の荷重を稜角部の応力集中と、多点接触による応力分散により路盤が許容しうるレベルまで効率よく低減させて路盤に伝える道床縦抵抗力まで評価することができる。このCSFモデルに基づいたバラスト数理モデルではバラスト表面力を体積力に変換することができるため、従来のバラスト数値解析における煩雑なバラスト表面力の煩雑な計算を回避することができる。これによって、平成29年度からは、地震時変形挙動時の「道床横抵抗力」と列車衝撃荷重時の「道床縦抵抗力」に対する定量的推定と、3次元的な砕石および砕石集合体の振動・波動特性と微視的な応力・ひずみ分布を解明することのできるバラスト内の波動の伝播解析を行うことができる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度中、3ヶ月間の病気休暇を取らざるを得なかったため、研究開発の進捗が予定より遅れて学会発表や論文投稿の機会を逸してしまったが、角ばった形状のバラスト砕石からなる道床部の荷重を稜角部の応力集中と、多点接触による応力分散により路盤が許容しうるレベルまで効率よく低減させて路盤に伝える道床縦抵抗力まで評価することができるバラスト数理モデルを開発することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
バラスト数理モデルの効率的な検証と、これから開発を進めていく有限要素近似に基づく数値解析手法の過程における離散化では多くの複雑な解析積分(および数値積分)が求められる。バラスト数理モデルの検証およびその離散化での積分では多大な時間を要することが予想される。もし、これらにわずかのミスを犯し、それに気付かずして研究開発を進行すれば結果的に研究時間の多大な損失となる。これに対する研究推進方策として、近年進歩の著しい数式処理ソフト(Mathematica など)を購入導入することで、事前にミスを防止し効率的かつ迅速な正確性を有した研究開発を行うことができると考えている。
|
Causes of Carryover |
バラスト数理モデルの検証に用いるための数式処理ソフト(Mathematica 等)を購入する予定であったが、平成28年度中、3ヶ月間の病気休暇を取っていたため、数式処理ソフト購入まで至らなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
バラスト数理モデルの検証、そして有限要素近似に基づく数値解析手法の開発過程における離散化での積分に用いる数式処理ソフト(Mathematica 等)を購入する。
|