2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13736
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉井 一浩 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90314228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 眞二 京都大学, 工学研究科, 教授 (10346041)
山田 崇恭 京都大学, 工学研究科, 助教 (30598222)
鈴木 基史 京都大学, 工学研究科, 教授 (00346040)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 最適化 / 設計 / 熱輻射 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽のように高温の物体から発せられる熱エネルギーである熱輻射は,通常,幅広いスペクトル分布を持つ.一方で,太陽電池で用いられる光起電力セルの感度は,波長依存性が高く,特定の波長の光のみに対して高い感度を示すことが知られている.したがって,通常の太陽電池は,幅広いスペクトルの熱輻射エネルギーを受けてはいるが,実際にはそのわずか一部分のエネルギーのみを電気エネルギーに変換することしかできておらず,これが太陽電池のエネルギー変換効率の向上を妨げている大きな原因となっている. そこで,太陽光のエネルギーを一点に集中させることで高温物体をつくり,その高温物体から太陽電池の高感度領域の波長に限定された輻射光を発生させることでエネルギー変換効率を大幅に向上させる,熱光起電力発電システムが注目を集めている.このシステムでは,高温物体の表面に光の波長程度の大きさの特殊な周期的微細構造をもったメタサーフェイスを設け,これによって光と構造の相互作用に変化を与え,輻射光の波長の制御を実現するものである. 本研究では,熱放射を極めて高いレベルで制御可能なメタサーフェイスの設計を実現可能な,トポロジー最適化に基づいた新しい構造設計法を構築する.トポロジー最適化は,あらかじめ特定の初期構造を与えることなく,数学的および力学的見地から性能を最大化する最適な構造を得ることができるので,従来の試行錯誤では到達できなかった抜本的な性能向上を期待することができる.本研究では,そのため電磁場解析モデルの構築と,最適化問題の適切な定式化法を検討する.さらに,目的関数の感度解析法を構築するとともに,トポロジー最適化法の実装を行い,波長スペクトルを制御可能な熱輻射デバイスの設計案を導出する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トポロジー最適化の基礎理論を確立しつつあり,波長選択構造の簡単な形状を導出しているため,概ね順調に進展しつつあるといえる
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Strategy for Future Research Activity |
マルチマテリアルの問題への展開等を考え,より実用的な構造の導出方法について検討をすすめる
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Causes of Carryover |
当初簡単な計算機の購入を予定していたが,より大規模な計算が必要であることがわかってきたことから,次年度に配分される予算と合算してより大きなワークステーションの購入を行う必要があるため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述のように次年度に配分される予算と合算してより大きなワークステーションの購入を行う
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Research Products
(1 results)