2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research for new molecular wire utilizing genetic algorithm and numerical simulation
Project/Area Number |
16K13739
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 亮子 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (30303332)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | データマイニング / 材料設計 / 数値計算 / 量子化学 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
データマイニングの材料関連分野への応用可能性を探るため,例題として発火点予測および発火点決定ルール抽出を試みていたが,基礎的な化合物群について一通りの調査が終わった.対象とする化合物は,炭素,酸素および水素からなる化学物質に限り,記述子は,分子の基礎的な量と炭素原子個数,酸素原子個数,さらに,炭素,酸素,水素からできている化学物質の特徴的な部分構造を使用し,あわせて18個とした.データは全部で294件用意できたため,テストデータは10%程度の30件,学習データを残りの264件とした.学習データに対してデータマイニング手法の決定木とランダムフォレストを適用した.その結果,ランダムフォレストを用いると30件中26件は100K以内の誤差で発火点を予測することができた.決定木では,30件中22件で100K以内の誤差で発火点を予測することができた.また,決定木では,これまで経験的に知られていた発火点に関するルールのいくつかを確認することができ,またそれらのルールにおける閾値を定量的に調べることができた.以上の内容を国内学会口頭発表,国際学会口頭発表,情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」論文として発表することができた. 最終年度では,分子間力を扱うような内容で,材料関連分野の研究者,特に研究協力者が興味を持つような,分子ワイヤにつながっていくような例題を調査した.今後はそれらに関する調査を行なっていく予定である.具体的には,2種類の原子が1個ずつ結合した分子である「ダイマー」の結合距離を,周期表上で83番まで程度の,非放射性元素で材料によく用いられるような種々の原子の組み合わせについて総当たり的に数値計算で生成する.そして,得られた結合距離と目的とする材料群のうち,知られている物質の物性値との関係をあらかじめ機械学習し,知られていない物質の物性値の予測を試みる.
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