2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K13742
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 真一 九州大学, 数理学研究院, 教授 (80362226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 修司 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 講師 (20635370)
坂内 健一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90343201)
安田 正大 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (90346065)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 整数論 / 代数 / Hodge構造 / 実乗法 / モチーフ / 数論幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は分担者である慶応大学の坂内健一氏, 山本修司氏, 大阪大学の安田正大氏, および慶応大学の山田一紀氏, 萩原啓氏との共同研究で、Hodge実現におけるplectic構造の研究を行った. 実乗法をもつモチーフには、plectic構造が存在するというNekovarとSchollによるplectic予想があり, この予想が解決するとHilbert保型形式と結びつく加藤オイラー系の構成などに応用があることが期待されている. そしてこのようなオイラー系の存在がわかるとミレニアム問題であるBirch and Swinnerton-Dyer予想を特別な場合として含むBeilinson-Bloch予想およびBloch-Katoの玉河数予想に対して、著しい応用があることが知られている. また近年多重ゼータ値との関係も研究され始めている. しかしながらこの予想は提唱されて日が浅いこともあり、実質的にはほとんどが未知の状況にある. 本年度はこのplectic予想のHodge実現に焦点を絞り研究を行った. 具体的成果としては次を得た. Gを mixed Hodge構造の淡中基本群とし, gを自然数とする. このときGのg個の積G^gの表現を, weight filtrationとg個の partial Hodge filtrationの言葉で特徴づけた. とくにmixed plecticカテゴリーのExtension群を計算する明示的な複体を構成することに成功した. この結果はplectic予想に関する成果としては, ほんの始まりの一歩にすぎないが, この予想に関しては世界的にみてもほとんど結果も出版論文もない状況なので, 価値のある一歩であると思われる. 今年度はこの成果をプレプリントとしてもまとめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
挑戦的テーマにふさわしくすべてが手探りの状況であったが, 大きくはないが数学的に確かな結果を得て確実に前進している.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得た結果を国際研究集会を含めて様々なところで発表し意見交流を行う. また引き続き定期的に研究連絡を行う.
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Causes of Carryover |
調整がうまくいかず研究連絡や出張を何回か延期したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大学の講義がない期間をうまく利用して研究連絡を行う.
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