2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cultivation of computational approaches in constructive Galois theory and arithmetic fundamental groups
Project/Area Number |
16K13745
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 博昭 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60217883)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 楕円曲線 / ポンスレ多角形 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,橋本喜一朗・酒井祐貴子により導入されたポンスレ5角形のパラメータ族について標準的な変数変換により円盤モデルを構築した場合に内接図形がパラメータに応じて変化する様子の描像や,Friedによるガロアの逆問題に現れる数論的な例外被覆の幾つかについて実例検証するなどの計算代数的な手法による実験を進めた.9月末~10月前半にかけてニース大学のWojtkowiak教授を訪問し,数論的基本群から生じるガロア・アソシエータと呼ばれる非可換ベキ級数の係数に現れるガロア指標の分布や岩澤主予想との関係性について,意見交換を行った.また平面三角形から2組のチェビアン三つ組を指定して交差三角形を形作るための実パラメータを複素化するアイデアを進め,2変数の複素パラメータをもつ作用素族を導入して,さまざまな知見を得た.その一部は小川裕之氏との共同研究として,共著のプレプリント"A family of geometric operators on triangles with two complex variables" として発表した(arXiv:1811.07703).この中で,パラメータのフーリエ変換により,問題の作用素族全体にモノイド構造を自然に導入することが可能になること,とりわけ面積保存型の作用素族の全体(保測変換)がトーラス面をなすことが示された.さらに,このトーラス面の上での測地線軌道による三角形の変形をあらわす興味深い描像について計算機実験を行い,今後の研究方向に役立つと思われる萌芽的な知見が得られている.
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