2018 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on stratifolds by a categorical approach
Project/Area Number |
16K13753
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
栗林 勝彦 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (40249751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 大祐 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60402765)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 階層体 / ディフェオロジー / de Rham 理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
M. Kreckにより導入された階層体 (Stratifold) は可微分多様体の一般化であり,特異点を持つ多様体や特異ホモロジーの幾何学的サイクルを記述する概念としても注目される。その階層体を圏論的な視点に立って研究することが本研究の目的である。研究目的の(I)(III)(IV)に加え,(II)のディフェオロジカル空間のつくる圏と階層体の圏との比較においては,特に,前年度までに階層体の射をディフェオロジーの言葉で特徴付けることに成功している。最終年度は,この成功を受けてさらに,ディフェオロジーの de Rham 理論構築とその中での階層体の役割を明確にするという目標に向かって研究を進めた。ディフェオロジーにおける de Rham 複体から,立方体的コホモロジーへの積分写像がホモロジー上で一般には同型を導かないことが知られている。すなわち de Rham の定理が成立しない。そこで,単体的微分代数の一般論を適用して新しい de Rham 複体を構成し,任意のディフェオロジカル空間に対する de Rham の定理の証明を進めている。同時に階層体の場合はオリジナルの de Rham 複体と新しく定義したものが,擬同型になることの証明のアウトラインも得た。またディフェオロジーに存在する接空間の2つの概念が,階層体の場合は一致するという主張の証明に取り掛かり,(II)の結果を利用するというアイデアも得た。 2019年3月にディフェオロジー研究の専門家である P. Iglesias-Zemmour と S. Gurerを招いて,九州大学で勉強会兼研究集会を開催し,研究交流を行った。特に,ディフェオロジーにおける微分形式の性質や de Rham 計算,さらにデフェオロジカル空間の圏における有理ホモトピー論の適用可能性について議論を行った。上述の問題に対する考察の方向性を明確にできたと考えている。
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Research Products
(10 results)