2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K13759
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
乙藤 隆史 日本大学, 工学部, 准教授 (70339266)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 無限次元旗多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
「研究実施計画」で記述した「項目2:D-加群としての無限次元旗多様体の量子コホモロジー環の構造解明」においては、連携研究者のうちの一名と共に、W-代数が周期的戸田格子に於いて果たす役割について、そしてまた、無限次元旗多様体におけるPeterson多様体についての研究を開始した。前者はより広い可積分系の枠組みで考察できるものである。後者は極めて挑戦的な可能性の下でではあるが、Peterson同型のアフイン版を目指したものである。これらのテーマを引き続き2019年度にも研究することにしている。また、「項目1:無限次元旗多様体の量子コホモロジーの位相場の理論としての構造解明」については、残念ながら2018年度においては研究を再開する時間を見出すことが出来なかった。この項目における正境界付き位相場の研究は2019年度に再開できるかどうか未定である。一方、「項目3:インスタントンモジュライのZ-関数を用いた無限次元旗多様体の量子コホモロジーの研究」も2018年度においては着手に至る機会を見いだせなかった。しかしこちらは上記「項目2」とはより緊密に関連しており、2019年度は改めて着手を目指すことにしている。 例年ならば2月前後に開催していた、本研究課題周辺のテーマに基づく研究集会は、共催者との時間的都合が付かず、残念ながら2018年度は開催を見送ることとした。2019年度には可積分系理論の周辺をテーマとして再開を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
連携研究者との共同研究は、お互いの時間的都合の調整がつかず、ほとんど実行できなかった。無限次元旗多様体の量子コホモロジー環の関係式に現れる周期的戸田格子の可積分構造に対する新しい取扱いが必要であることを確認したが、具体的な計算で結果を導く段階に至っていない。Peterson同型の類似についても、可能性について検討したものの、具体的結果には至っていない。インスタントンモジュライの応用については、検討する機会を持つことが全く出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度に予定していた項目1-項目3は本年度も引き続き研究を継続する。2018年度の反省を踏まえて、2019年度は可積分系の視点に重点を置いて進める。また、連携研究者との共同研究は2018年度もほとんど出来なかったので、本年度はこの点も積極的に推進する。
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Causes of Carryover |
研究に十分な時間と労力を充てることが出来ず、また共同研究者との時間的都合をつけることが非常に困難であったため、結果として共同研究のための出張は予定していた回数に達しなかった。次年度使用額は出張用旅費に使用する予定である。
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