2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13765
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 嘉弘 長崎大学, 経済学部, 教授 (60212255)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 場の方程式 / パンルベ方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 平成28年度の計画のStep1で予定していた『「行列型パンルベ方程式(MPS)」をモノドロミー保存変形の変形方程式として捉える見方と、フェルミオン場の方程式におけるモノドロミー保存変形とを比較し、フェルミオン場の方程式側に、「行列型パンルベ方程式(MPS)」に対応する行列型の方程式「行列型第2パンルベ方程式(仮称)」を構成し直す』ことに関しては、準備として、パンルベ方程式のラグランジアンを計算し、パンルベ方程式をオイラー・ラグランジュ方程式としてとらえることができるようにした。
(2) 平成28年度の計画のStep2で予定していた『「行列型パンルベ方程式(MPS)」「行列型第2パンルベ方程式」の双方での表示法、それぞれでの解の変換の状況を通じて、「行列型パンルベ方程式(MPS)」の解の変換群の理論を完成させる。』および、平成29年度の計画のStep2で予定していた『「行列型パンルベ方程式(MPS)」及び「行列型第2パンルベ方程式」をパンルベ方程式に書きなおしていくプロセスの再検討』に相当する部分として、未解決であったMPSのパンルベ6型への書き直しの完全な表示式を得た。 MPSのうちのM(1,1,1,1)がパンルベ6型と同値であるとは言われてきたが、実際にはM(1,1,1,1)をパンルベ6型に書き直す一方向の変換しか得られておらず、パンルベ6型からM(1,1,1,1)への逆変換は表示式が得られていなかった。そのため、MPSの中でも最も一般的なM(1,1,1,1)の解の変換群を求める計算ができないでいた。しかし、逆変換の完全な具体的な表示式が得られたので、M(1,1,1,1)の解の変換群だけでなく、他のMPSの変換群を退化の観点から考えられる可能性が出てきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
パンルベ方程式を共形場理論の立場から論ずる理論が出てきており、そちらとの関係を意識しつつ、フェルミオン場の方程式側に、「行列型パンルベ方程式(MPS)」に対応する行列型の方程式「行列型第2パンルベ方程式(仮称)」を構成する必要が出てきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画した研究の進め方とは順序が異なるものの、パンルベ方程式を複数の場の理論の中でどう位置付けるか再検討しながら、当初目標の解決を図っていく。また、研究実績の概要(2)で述べた結果より、「行列型パンルベ方程式(MPS)」の解の変換群の理論を整備する別な手掛かりが予想されるので、その方面の研究を進める。
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Causes of Carryover |
研究が計画より遅れており、平成29年度に予定していた海外渡航を取りやめたため、残額が生じた。その残額は平成30年度に繰り越し、平成30年度の旅費を増額し、数理物理学分野の国際研究集会への出席や、情報収集・学会発表等を行う予定である。
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