2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study of Painleve equations by the field theory
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16K13765
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 嘉弘 長崎大学, 経済学部, 教授 (60212255)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Painleve 方程式 / Lagrangian / 行列型Panleve方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 平成29年にパンルベ方程式のラグランジアンを計算し、パンルベ方程式をオイラー・ラグランジュ方程式として捉えることができるとの結果を述べたが、この計算をすべてのパンルベ方程式に対して行った。そして、その結果を「Lagrangians of Painleve equations」としてまとめ、『長崎大学経済学部研究年報』第36巻(2020年6月)に掲載予定である。パンルベ方程式(P_J)は、岡本和夫により導入されたハミルトン系表示(S_J)と同値であり、Mason-Woodhouse の研究に触発されて筆者が導入した行列型の方程式 MPS(Matrix Painleve System:M(*))とも同値であるが、S_J がハミルトン力学の方程式、M(*)が反対称ヤンミルズ方程式というゲージ場の方程式であり、物理学の枠組みで表示されるにも関わらず、元のパンルベ方程式 P_J 自体が物理的枠組みの中で捉えられるかどうかは全く未知であった。しかし、S_J のハミルトン関数から逆にラグランジュ関数を計算し、それをもとにオイラー・ラグランジュ方程式を計算することで、パンルベ方程式がすべてそれ自身オイラー・ラグランジュ方程式であるという結果を得た。つまり、パンルベ方程式は力学系の方程式であると捉えることができる。パンルベ方程式のラグランジアン表示からは様々な予想が立つが、これは今後の研究課題である。 (2) 平成29年度に M(1,1,1,1)とP_6 の書き直しの具体形を得たので、それを元に、M(1,1,1,1)に含まれる線形subsystem の計算や、パンルベ方程式の解の変換群(Okamoto変換群)をMPSより導けるという予想を立てていたが、現在までには一部の結果のみしか得られていない。当初の構想通りでなくても目的の結果を得られるルートであるので、この研究は完成させたい。
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