2018 Fiscal Year Annual Research Report
Harmonic analysis and probablisticc approaches to stochastic nonlinear dispersive equations
Project/Area Number |
16K13770
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 誉志雄 京都大学, 理学研究科, 教授 (10180027)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 準不変測度 / 無限次元ガウス測度 / 非線形分散型方程式 / フーリエ制限ノルム法 |
Outline of Annual Research Achievements |
クリスタル・ファイバーを光信号が伝播する現象のモデル方程式である,3階分散項付き非線形シュレディンガー方程式の初期値問題の適切性を,Nobu Kishimoto(数理解析研究所)と共同で調べた.さらにその研究を基に,3階分散項付き非線形によって,独立同分布無限次元ガウス測度がどのように時間発展するかという問題を,Tadahiro Oh (University of Edinburgh)およびNikolay Tzvetkov (University of Cergy-Pontoirse) と共に研究した.ハミルトン系において最も重要な不変測度は,Gibbs測度であろう.しかし,数学的には,Gibbs測度が存在している台空間は非常に弱い(即ち,広い)関数空間であり,非線形発展方程式を解くには困難なことが多い.さらに,Gibbs測度が構成できたとしても,滑らかな解(例えば,エネルギー有限となる解)全体の集合は,Gibbs測度に関して測度ゼロとなることが知られている.そのため,Gibbs測度では,エネルギー有限となる物理的にも数学的にも重要な解の性質を捉えることが出来ない可能性がある.そこで,ガウス測度がハミルトン系によってどのように時間発展していくかを調べ,不変とならなくても準不変 (quasi-invariant) であれば,それによって不変測度のときと類似の解の時間挙動を導き出すことはできないか,という疑問が自然に生じる.最終年度は,ハミルトン系である3階分散項付き非線形シュレディンガー方程式に対して,ガウス測度が準不変 (quasi-invariant) となることを示した.ハミルトン系に対し測度が準不変とは,そのハミルトン系によって時間発展した測度と元の測度が互いに絶対連続となることである.準不変であれば,測度論の観点からは時間がたっても同値な測度であることになる.
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Research Products
(4 results)