2018 Fiscal Year Annual Research Report
Spatial-temporal virus dynamics based on reaction-diffusion model
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16K13777
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩見 真吾 九州大学, 理学研究院, 准教授 (90518119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 知之 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (80402676)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 数理モデル / 時空間動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
反応拡散方程式を基盤にしたデータ解析理論を構築し、ボルナウイルスを用いた培養細胞実験の時空間データを定量的に解析していく。非感染細胞であるOL細胞と持続感染細胞であるOB細胞を標的細胞として感染実験を行った結果、OL細胞間においてボルナウイルスが効率的に感染を伝播する事が分かった。さらに、その原因を調べるために各感染細胞内で複製されるゲノム数を解析すると、OL細胞において効率的にウイルス複製が行われている事も明らかになった。ボルナウイルスは主にcell-to-cellで感染を広げる事実と合わせて考えると、感染細胞内のウイルスゲノム数に応じて感染力、あるいは、反応拡散係数が変化する事が予想される。開発した数理モデルとデータ解析理論より、標的細胞の違いに応じたパラメータ推定を行い、ボルナウイルスの感染機構を明らかにした。今後、ボルナウイルスがどのような理由でcell-to-cellを効率よく行っているのかを解明すれば、対応するプロセスを阻害する事で全く新しい機序を持つ抗ウイルス薬を開発できる可能性がある。この様に、実験データを数理科学的に解析する学際的融合研究を実施する事で「実験科学の直感からは見出されない現象の定量化」が達成された。私達が提案したアプローチは、ボルナウイルスのみならず様々なウイルスを用いた時空間データ解析に応用可能である事より、本研究成果を応用して、エボラウイルスやヘルペスウイルスの時空間動態を定量的に解析する共同研究を進めている。
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Research Products
(12 results)