2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13794
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石徹白 晃治 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 助教 (20634504)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美馬 覚 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, 特別研究員 (50721578)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 暗黒物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の急速な宇宙論的観測の進展により, 通常の物質は宇宙全体の僅か4.9%のみであるのに対して, 27%もの暗黒物質が存在していることが明らかになった. それ以降, 世界中で暗黒物質の直接探索実験が加速的に進んでいる. 直接探索実験は, 弱く相互作用をする比較的重い暗黒物質(WIMP)や" アクシオン" に焦点を当てて進められて来た. しかし, 非常な努力に関わらず暗黒物質の兆候は未だ発見されていない. そのために, 最近は理論的な注目が比較的軽い(keV{MeV スケール) 暗黒物質に集まっている. そのような状況のなか, 超伝導クーパー対解離を応用した新しい超伝導放射線検出器を開発し, その原理を検証するのが本研究の目的である. 初年度である平成28年度には, 冷凍機の準備, KID型超伝導検出器の開発, 超伝導検出器の読み出し系の整備などを行った. 冷凍機は約半日後に0.3Kに到達し, 100時間以上継続して運転できることを確認した. また, CALDER (cryogenic light detector for rare events search)実験を参考に, 暗黒物質に感度を持つKID型超伝導検出器のデザインを開始した. まだ, デザインの最適化は完了していなが, デザイン方法に関しては十分なノウハウを蓄積することができた. 読み出しはKEKがCMB実験用に開発したスキームを応用することを想定している. KEK CMBグループの承諾のもと専用電子回路と読み出しソフトウェアを得た. 現在, 本実験で使用するための準備を進めている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来の用途にそった超伝導検出器ではないが, 別用途用の超伝導検出器を動かすことに成功している. また, 暗黒物質実験用の超伝導検出器のデザインも順調, おおむね研究は順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度中に暗黒物質探索実験用にデザインした超伝導検出器を動かせて, その動作原理を検証する予定である.
|
-
[Presentation] light DM2017
Author(s)
細川佳志
Organizer
ダークマターの懇談会
Place of Presentation
神戸大学 梅田キャンパス (大阪府大阪市)
Year and Date
2017-01-27 – 2017-01-28
-
[Presentation] 希事象探索実験2016
Author(s)
石徹白晃治
Organizer
Open-It若手研究会
Place of Presentation
阿蘇プラザホテル(熊本県阿蘇市)
Year and Date
2016-10-25 – 2016-10-27