2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developing an aspherical lens array system to halve the production cost of large-area silicon photomultiplier arrays
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16K13801
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 曉 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 講師 (90645011)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シリコン半導体光検出器 / SiPM / レンズアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多チャンネルのアレイ型半導体光検出器の有効検出面積を拡大する紫外線透過型レンズアレイを紫外透過ガラスで試作し、その効果を確かめることである。現在市販されているアレイ型の検出器では、隣接する画素間に不感領域が存在し、およそ 15% の光を失ってしまう。この不感領域をレンズアレイにより取り除くことで、検出器全体の実効的な光検出効率を高めることが可能になる。2017年度にレンズアレイの光学設計、紫外透過型ガラスの成型試験、およびレンズアレイの実際の製作を行った。2018年度はレンズアレイの光検出能力の試験をレンズアレイの有無で比較し、レンズアレイを取り付けることによって相対的に10%から20%程度の検出効率向上が確認された。これは光線追跡シミュレーションから期待される結果をおよそ再現できており、設計に近いレンズあれが製作できたと言える。繰り返し測定による再現性や入射光量の安定性も1%以下であり、測定系も要求を満たすものが構築できた。一方で、レンズアレイを取り付けることによるオプティカルクロストーク現象の悪化が見込まれることが分かり、今後の検討課題である。また本研究では375 nmの入射光のみで試験したが、異なる波長での試験も今後必要である。本研究の結果を踏まえ、チェレンコフ望遠鏡アレイなどの、ガンマ線観測実験や宇宙線観測実験の将来計画、また素粒子・原子核物理学の実験装置への適用可能性の検討や応用が期待される。
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Research Products
(2 results)