2017 Fiscal Year Research-status Report
7-10世紀の大規模SPE発生頻度分布の解明に向けた超高精度反復C14濃度測定
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16K13802
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 芙沙 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (90738569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箱崎 真隆 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 特任助教 (30634414)
増田 公明 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 准教授 (40173744) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 宇宙線生成核種 / 放射性炭素 / 高精度14Cデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、樹木年輪の連続14C濃度測定により、超巨大Solar Proton Event(SPE:太陽面爆発に起因)の痕跡とみられる西暦775年と西暦994年の14C急増イベントが発見された(Miyake et al. 2012, 2013)。超巨大SPEは人工衛星や地上通信網の破壊を引き起こし、現代社会に対して巨大噴火・巨大地震に匹敵する自然災害となり得る。本研究の目的は、西暦600-1000年における年輪の14C濃度測定値の超高精度化を実現することにより、西暦775年と西暦994年イベントより小さい規模の14C増加イベントを検出し、その頻度を明らかにすることである。通常の太陽フレアや、太陽型恒星のスーパーフレアの発生頻度は、エネルギーのべき乗で減少することが知られている。14C増加イベントの発生も同様な頻度分布に従うかを解明し、14C増加イベントを実際に観測されている太陽フレアや太陽型恒星のスーパーフレアと結びつけ、統一的な議論を行うことを目的としている。 測定は西暦600-1000年の隔年に対して実施する予定であり(~200試料)、本年度は、すでに測定が終わっている数十年以外の年代のセルロースサンプルを準備した(年輪剥離、化学処理)。本来であれば、準備したサンプルについて測定を進める予定であったが、今年度前半は産前産後休暇、育児休暇を取得していたこと、また測定を予定していた名古屋大学AMSの故障等により、測定には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は西暦600-1000年までの反復測定を実施する予定であったが、加速器質量分析計の故障等により測定があまり進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
西暦600-1000年について、既にセルロース試料がある年代から先に測定を実施する(名古屋大学と山形大学のAMSを利用予定)。また、セルロースが得られていない年代については年輪剥離、セルロース抽出を行う。今年度中にすべての測定を終わらせる予定である。
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Causes of Carryover |
前年度にAMS測定を実施できず、測定にかかる費用が発生したため。翌年度分として請求した助成金と合わせたすべては、AMS測定費に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Verification of the Annual Dating of the 10th Century Baitoushan Volcano Eruption Based on an AD 774-775 Radiocarbon Spike2018
Author(s)
Hakozaki, M., Miyake, F., Nakamura, T., Kimura, K., Masuda, K., & Okuno, M
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Journal Title
Radiocarbon
Volume: 60
Pages: 261-268
DOI
Peer Reviewed
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