2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of High Intensity Laser-Electron Photon beam with synchronized laser injection
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16K13806
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 憲仁 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (40397766)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レーザー電子光ビーム / 逆コンプトン散乱 / パルスレーザー同期 / ハドロン物理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザー電子光ビームは、ハドロン物理を推進する上で、ユニークかつ強力な研究手法を与えるが、従来の制動放射光ビームと比べ、強度が低いという欠点があった。 本研究では、様々なビームバンチ構造を持つSPring-8 の蓄積電子ビームに対して、繰り返し周波数を最適化したパルスレーザー光を、電子ビームに同期して入射することにより、逆コンプトン散乱効率を劇的に改善し、レーザー電子光ビームの高強度化と安定化を実現することを目的とする。 今回の研究では、その原理を実証する為にSPring-8の蓄積電子ビームが203バントモードという等間隔に電子バンチが存在する運転モードで出力が0.1Wのレーザーを208.7KHz(1hit/turn)で電子ビームに同期させて入射し、非同期の場合とのレーザー電子光ビームの強度の比を計測した。タイミングディレイを2ナノ秒毎に変化させて、レーザーの収束が一番良い点で逆コンプトン散乱を起こしたところ、非同期の場合の2.2倍の強度が得られた。また各ディレイタイミング毎にレーザーの方向をわずかに変えてレーザー電子光ビームの強度の変化を測定し、その情報からレーザープロファイルを逆算した。理想的な集光ではレーザーウエストが150マイクロメートルであるが、測定値は362マイクロメートルであった。このレーザープロファイルを用いた計算では同期と非同期の比が約2倍であり、ビーム強度比の実測値と一致する。 今後光学系を改良し、レーザーの収束を良くすると、9~10の強度比が得られることがわかった。
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