2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new type high pressure apparatus for low temperature experiments
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16K13830
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 教授 (40213524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷地 順 東京大学, 物性研究所, 助教 (20781280)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 圧力発生装置 / 低温高圧 / マルチアンビル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新たな2段式マルチアンビル式高圧発生装置を設計・作製し、15GPa以上での超高圧下での低温物性研究を行う事である。まず、昨年度に引き続き装置のテストを行うと共に、装置の圧力校正試料の測定を行った。昨年度考案したガスケット更なる最適化を行い、ほぼ同質のガスケットを毎回作る方法を確立した。得られたガスケットを用いることにより、加圧成功率が格段に上がった。次に装置の圧力校正を行った。圧力校正は、試料にBi(2.55 GPa, 2.7GPa, 7.7GPa), Sn(9.2 GPa), Pb(13.7 GPa), ZnS(15.5 GPa), GaAs(18.3 GPa), GaP(23 GPa)をもちいて、それぞれの圧力誘起構造相転移に起因する電気抵抗の異常を観測した。装置設計段階では、20 GPaを発生させるのに500トン以上の荷重が必要であると予想されていた。しかしながら、本装置では予想の約1/3弱の140トン程度で、23 GPaを発生出来ることが確認され、予想以上に圧力効率が高いことが明らかになった。この圧力効率の高さは、装置の性能すなわちガスケット設計が優れていることを意味している。一方、20 GPa以上の圧力を発生させると、使用しているアンビルの破壊が頻繁に起こった。この現象を克服するためには、より強度の強いアンビル材料の選定が必要で有ることが明らかとなった。本研究により、20 GPaを超える圧力下での低温物性測定装置を用いた物性測定が可能となった。
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