2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K13886
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小嶋 浩嗣 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (10215254)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プラズマ波動 / 光電界センサ- / 超小型衛星 / スペースポテンシャル |
Outline of Annual Research Achievements |
光電界センサーを宇宙空間でプラズマ波動観測に利用するにあたって、その性能面での評価から開始した。光電界センサーにはいくつかのタイプがあり、その中でも比較的低周波まで感度が延びている透過型光電界センサーを貸し出していただき、その感度の性能評価を、シールドルーム内で計測した。光電界センサーでは、そのアンテナ線は非常に短く、微小ダイポールとなるため、トップハット方式で容量を持たせるタイプのアンテナ軸を用いた。この光電界センサーとアンテナをシールドルーム内に設置し、標準アンテナとしてのモノポールアンテナと同時に同一ソースの電波を観測して、その強度比較を行い、光電界センサーの感度キャリブレーションを行いつつ、その観測限界について評価を行った。その結果数100マイクロボルト/メーターの電界強度まで測定可能であることを見積もることができた。これは、宇宙空間でプラズマ波動観測を行う際には、やや感度が不足する程度のレベルであった。この感度を向上させるためには、アンテナ軸を更に長くすることが考えられる。現状用いていたアンテナ軸は、10cm程度であるのに対し、従来の衛星に搭載する電界アンテナは、数10mの長さを伸展していることから、アンテナ長で100分の1以下のものでも、やや感度が悪い程度で済んでいることから、衛星として許容できる程度のアンテナ軸の長さをもたせることによって実用レベルにまで引き上げる可能性が示唆された。これにより光電界センサーの有効性が認められたため、実機の購入を行い更に精密な計測による性能評価が期待できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光電界センサーを用いて実際の電界計測を行ったところ、宇宙空間で必要な感度よりもやや悪い程度であることがわかった。この結果から、改良によって十分利用できるレベルであると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
実機を平成28年度に購入したため、今後、更に精密な測定を行っていく他、宇宙空間環境で必要な耐性についても評価を行っていく。最終的には、放射線試験など破壊試験になるものまでを行ってみる予定である。
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Causes of Carryover |
性能評価をするにあたって既存の環境で効率よく行うことができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
精密な計測にあたって、アンテナ軸の追加加工などに使用する。
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Research Products
(1 results)