2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an electrodeless absorption and emission cell for application to remote sensing of planetary upper atmospheres
Project/Area Number |
16K13887
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
田口 真 立教大学, 理学部, 教授 (70236404)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 惑星コロナ / 水素ライマンアルファ / 大気散逸 |
Outline of Annual Research Achievements |
吸収の位置依存性を調べるために、2018年6月にSOLEILにおいて吸収セルの性能評価試験を行った。ビームとフィラメント間距離と吸収の強さの定量的な関係を得た。 探査機搭載を視野に入れて、これまでSOLEILでの実験で使用した光路長60 mmと100 mmの2種類のオープン吸収セルボディーを使用して、水素ガスを封入した吸収セルを試作した。 試作した吸収セルのフィラメントの長期耐久性能を調べるために、フィラメントに定電圧をかけたときに流れる電流値の時間変化を測定した。測定中、フィラメントには周期的に10 Vの電圧のON/OFFを繰り返した。電圧ON/OFF時の時間を累積しそれに伴う電流値の変化を調べた。フィラメントは吸収セルの上部と下部にそれぞれ異種の5本ずつの計10本取り付けられているが、それぞれ同種の1本ずつを使用して同時点灯した。1本目のフィラメントは約62.5時間の点灯で切れた。2本目のフィラメント約69時間点灯し続けたが切れなかったが、徐々に流れる電流は低下した。1本目のフィラメントと同じ電流値で切れると仮定すると、2本目のフィラメントも約90時間点灯し続けると切れると予測される。 今回の実験結果を受けて、フィラメント耐久性は改善の必要がある。フィラメントの寿命を縮めた要因としては、吸収効率を重視してフィラメント径を細くしすぎたこと、吸収セル内の脱ガスによりフィラメントが酸化することが考えられる。今後、フィラメント径については吸収効率だけでなく耐久性の面も含めて最適化をしていく。吸収セルのフィラメントは現在10本であるがフィラメントの本数を20本に増やし1本あたりの目標耐久時間を減らす。 研究期間全体を通じた成果として、フィラメントの耐久性の課題は残ったが、水素吸収セルの製作方法を確立した。研究成果の一部はKuwabara et al. [2018]として上梓した。
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