2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the origin of microbial mat-related structures formed on siliciclastic rocks
Project/Area Number |
16K13891
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白石 史人 広島大学, 理学研究科, 助教 (30626908)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 微生物マット構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
インド東部グジャラート州Cambay Basinで採集した現世の”微生物マット構造”については,真の微生物マット構造と岩塩セメントによる偽構造の特徴をまとめた.前者の形成については,フィラメント状シアノバクテリアなどによる砂粒の捕獲・結束が重要な働きをしていることが明らかとなった.これらの内容について,研究協力者のデリー大学Chakraborty教授およびインド工科大学Banerjee教授と議論を行い,現在論文を準備中である.この成果は,過去の”微生物マット構造”の成因を正しく理解するために重要な知見を含んでいる. 一方,インド中部・マディヤプラデーシュ州Gwalior周辺に分布する古原生界Gwalior層群の縞状鉄鉱床に見られる微生物マット構造については,インドにおいて地質調査を行い,岩石試料を採集した.縞状鉄鉱床に狭在する石英ストロマトライトについて薄片観察を行ったところ,現世の鉄酸化細菌(LeptothrixやGallionellaなど)に形態及びサイズが類似した微化石を複数発見した.これは縞状鉄鉱床の形成に底生微生物群集が寄与したことを示唆する.また,鉄酸化細菌の代謝にによって縞状鉄鉱床が形成されているのであれば,微生物マット構造の形成には捕獲・結束以外のプロセスが重要な役割を果たしていることも示唆される.これらの成果は,シアノバクテリア以外の微生物であっても,微生物マット構造を形成しうるという数少ない実例となる可能性がある.
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