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2016 Fiscal Year Research-status Report

四国非火山性温泉組成による地殻変動予測への挑戦

Research Project

Project/Area Number 16K13893
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

堀 利栄  愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (30263924)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山本 明彦  愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (80191386)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords道後温泉 / pH値 / 潮汐振動
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度は、以下の2点について研究を進めた。(1)新たな泉源における温泉水のpHおよび泉温の連続測定装置の設置、(2)設置済みのpH連続測定装置の整備とデータ解析
(1)については、日本最古の温泉の一つとして有名な道後温泉に、計測機器が設置可能かどうかをまず検討した。源泉所有者である松山市に協力を依頼し、担当者と一緒に源泉調査を行った。その結果、一箇所の源泉のみ連続測定装置の設置が可能と判断された。道後温泉は、非火山性温泉でプレートの沈み込みと関係があると推定され、pHと泉温の連続観測によって様々なデータが得られる可能性が高い。条件に見合った源泉において測定装置設置許可申請を行い、平成28年12月に許可が降りた後設置工事を平成29年1月に実施し1月末より計測を開始した。
(2)については、東道後温泉に設置済みの測定器のpHセンサーを平成28年5月に交換し,平成28年5月中旬から平成29年1月までの5分毎の温泉水のpH値データを取得し、ウーブレット解析を行った。その結果、東道後温泉水のpH値は、9.00から9.20の間の値を変化しながら、様々な変動を周期を持つことが明らかとなった。また、平成28年7月からpH値が長期にわたって減少し平成29年1月に再び上昇傾向に転じたことが明らかとなった。また短い変動周期に着目すると、大潮時期に東道後温泉のpH値が25時間40分程度の周期変動を示すことが判明した。これは、一部の潮汐振動周期とよく一致する。他のより短いまたは長い潮汐振動周期との比較を試みたが、ウェーブレット解析ソフトの制約があり、平成28年度中には検討ができなかった。今後は、より長期間のデータ解析を行い、pH値変動周期に他の潮汐振動周期(例えば、半日周期など)が見られるかどうかを検討していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

H28年度は、松山(道後)平野および四国中央部の非火山性温泉に計測値を設置する予定であったが、装置の選定および設置交渉、また設置場所選定に時間を要し、装置の設置が平成29年1月になり、新たな測定機器による連続観測開始が予定より遅れた。よって平成28年度は新たな装置の設定が1箇所のみになったため、研究の進展がやや遅れていると判断した。しかしながら、測定に適した機器や業者との打ち合わせ等によりpH値および泉温自動測定記録装置の開発を平成28年度中に終わらすことができたため、平成29年度には、平成28年度に予定していた源泉地における測定装置の設置を、より短い時間で行うことが可能と思われる。以上のように、平成28年度は準備に手間取り、データ取得が遅れたため全体にデータ解析が遅れている。その結果、平成28年度中における学会発表および論文公表には至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度においては、以下の3点を予定している。
(1)四国中央部における計測装置の設置および東道後温泉設置装置の交換
(2)東道後および道後温泉のpH値および泉温データの解析
(3)温泉水の化学組成分析
また、これまでのデータの予察的解析結果を学会等で発表する予定である。(1)については、高輪半島東部根元における非火山性温泉のpH値変動と泉温変化を詳細に記録することは重要であるため、まず現地に赴き調査を行った後、所有者と相談し設置に関する理解・協力を得た後、該当温泉において設置可能な源泉を検討し、平成29年中に測定装置を設置する計画である。また、現在設置済みの東道後温泉測定器の不具合がこの3月に起こったため、そのセンサーの交換を検討する。場合によっては、東道後温泉の他の源泉に道後温泉に設置した測定装置と同機種を設置する。(2)のデータ解析については、代表者がデータを取得し概略のまとめを行うと同時に、研究分担者により詳細な連続データの解析をお願いする。(3)については、温泉水のLiなどの陽イオン濃度が、地殻変動によって変化することが先行研究によって報告されているため、 pH値変動と実際の温泉水化学組成変動との比較を実施する。

Causes of Carryover

温泉水のpH値および泉温連続測定機器の選定が遅れ、またその記録装置の様式について業者と相談して特注となり実際に設置する装置の発注が遅れたために、平成28年度購入予定であった3台のうち1台しか購入できなかったために予定した家た予算の使用が平成28年度中にできなかったためである。また、設置のための工事費も1台分しか消費できておらず、四国中央部への調査や学会発表も間に合わなかったため旅費の使用もなく、平成28年度使用予定の助成金の多くが、繰越となったためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成29年度には、平成28年度で購入予定であった温泉水のpH値および泉温連続測定・記録装置を購入し、まず四国中央部の非火山性温泉への設置を目指す。目標は、連続記録計器を2台購入し、四国中央部と東部に各々1台ずつ設置するのが理想であるが、予定より装置が高価になったため、設置工事費によっては、1台のみ設置に計画を変更する可能性がある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 東道後温泉水のpH 値変動と地殻変動との対応2017

    • Author(s)
      與那覇 可南子
    • Journal Title

      愛媛大学 卒業論文

      Volume: 平成28年度号 Pages: 1-10

URL: 

Published: 2018-01-16  

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