2017 Fiscal Year Annual Research Report
Extraction of fossil pollen grains from sediment matrix by cell-sorter and improving radiocarbon calibration
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16K13894
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中川 毅 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (20332190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 貴之 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (30748900)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | セルソーター / 化石花粉 / 放射性炭素年代 / 水月湖 / 年縞 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、いくつか予想していなかった困難に直面した。重要なものを列挙すると、(1)初期のロットから得られた花粉ペレットの14C年代値が、葉化石から得られた14C年代に比べて数十年程度若く出る傾向があった。(2)セルソーターで処理した後の花粉ペレットが、おそらく静電気的なプロセスで媒質中に拡散し、遠心分離をおこなっても回収できない状態になった。(3)セルソーターで回収したはずの花粉数に対して、実際に回収できている花粉数が20%程度に留まっていた。(4)氷期に特徴的な大型の花粉が、セルソーターのサンプルラインに対して大きすぎ、ソーティングにかけられないことが判明した。 以上の問題に対して、最終的に次のような解決を得た。(1)1本の遠沈管内だけでサンプルの前処理を完結できる方法を開発し、コンタミネーションの影響を徹底的に排除した。(2)後処理に限外濾過装置を導入し、遠心分離によらないサンプル濃縮に成功した。(3)セルソーターの偏向板の直下に特殊な漏斗を設置し、わずかでも偏向した液滴であればすべて回収できるようにした。(4)ステンレス製の小型石臼を開発し、サンプルの粉砕を試みた。ただしこの問題だけは、石臼が研究期間中に完成しなかったため、保留の状態に留まっている。 大型の花粉の問題は、1万5000 BP 以前のサンプルに対してしか問題にならない。そこで、とりあえず1万~1万5000 BP の層準に集中し、確実に正しい値が出せるようになるまで技術の熟成をおこなった。最終的には、葉化石の年代と比較してまったく遜色のない(統計的に有意な差をみとめない)値を安定的に出せる技術を獲得した。 なお、以上のプロセスを完了するまでに分析したサンプル数は、数え方にもよるが、おおむね50サンプルである。このうち、最終的にキャリブレーションデータとして採用できたのは10サンプルに留まった。
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[Journal Article] Integrating the Holocene tephrostratigraphy for East Asia using a high-resolution cryptotephra study from Lake Suigetsu (SG14 core), central Japan2018
Author(s)
Danielle McLean, Paul G. Albert, Takeshi Nakagawa, Takehiko Suzuki, Richard A. Staff, Keitaro Yamada, Ikuko Kitaba, Tsuyoshi Haraguchi, Junko Kitagawa, SG14 Project Members, Victoria C. Smith
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Journal Title
Quaternary Science Reviews
Volume: 183
Pages: 36-58
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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