2019 Fiscal Year Annual Research Report
Role of biological processes on remanent magnetization acquisition of marine sediments
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16K13896
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 俊嗣 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80344125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 庸平 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00359168)
七山 太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (20357685)
清家 弘治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (20645163)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 走磁性バクテリア / 岩石磁気 / 生物源マグネタイト / 磁石化石 |
Outline of Annual Research Achievements |
西部赤道太平洋ニューギニア沖の海底堆積物コアKR0515-PC2, PC4について、昨年度行ったXRFコアスキャナーによる元素組成測定のデータ解析を行った。河川から供給される粗粒な陸源物質のプロクシとされる、ジルコニウム(Zr)とルビジウム(Rb)の含有量の比の変動には、2万年と10万年の周期的成分が見られるが、PC4ではより10万年周期の成分が卓越することが明らかとなった。これはPC4の方が広い大陸棚に近いため、陸源物質供給が海水準変動の影響をより強く受けるためと考えられる。2万年周期の変動は磁化率変動と正相関するのに対し、10万年周期の変動は逆相関する。従って、それぞれの変動周期を担う陸源物質の供給源は異なることが判明した。また、生物源磁鉄鉱と陸源磁性鉱物の量比の岩石磁気プロクシであるARM/SIRM比との比較から、2万年周期を担う陸源物質が増加する時期には、かえって生物源磁鉄鉱の割合が増えている。つまり、陸源磁性鉱物の増加以上に生物源磁鉄鉱が増加していることを意味し、鉄肥沃化が起きている可能性が示唆された。また、鉄含有量と磁化率の比から、磁性鉱物の還元溶解は起きていないことがわかった。 南鳥島周辺の赤色粘土では、特に始新世ないし漸新世またはそれ以前の古い年代の堆積物においては、磁性鉱物として生物源磁鉄鉱が卓越し、磁化率の約80%を担う。そのような堆積物では、磁化率異方性において通常の異方性を示す陸源磁性鉱物と逆異方性を示す生物源磁鉄鉱のバランスから、トータルとして逆異方性を示す場合があることが明らかとなった。生物源磁鉄鉱の磁化率異方性度は1.01程度の小さな値を持つと推定された。
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Research Products
(3 results)