2016 Fiscal Year Research-status Report
回転式変形ダイヤモンドアンビルセルの試作とポストペロフスカイトの変形実験
Project/Area Number |
16K13907
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山崎 大輔 岡山大学, 惑星物質研究所, 准教授 (90346693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘野 繁彦 岡山大学, 惑星物質研究所, 特別契約職員(准教授) (30572903)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 変形実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2004年に下部マントルを主要に構成している(Mg,Fe)SiO3ペロフスカイトの高圧相であるポストペロフスカイト相が、ダイヤモンドアンビルセル超高圧発生装置による実験で発見された。この相はマントル最下部のD”層の主要構成物質と考えられ、これの流動特性がマントル対流、ひいては全地球的ダイナミクスに大きな影響を与える。 流動特性の理解には、変形実験が最も有効な手段があるが、ポストペロフスカイト相は約120 GP以上の高圧下のみで安定であるために、その実験を行う装置が存在しない。そこで、新たに超高圧下での変形装置として、回転変形機構付きのダイヤモンドアンビルセルの開発・導入を行った。ほぼ同時に進行していた先行研究があったために、その研究によって開発されているダイヤモンドアンビルセルを参考にして当該研究の開発を行った。装置における主要な改良点は、回転機構にスラストベアリングを追加したことであり、これにより、より低トルクで、かつ、スムーズな回転変形が行われる。スラストベアリングの耐荷重は1トン以上であり、高圧発生においての荷重に充分耐えうるものである。さらに、ダイヤモンドアンビルに円錐加工を施すことにより、スムーズが回転変形の助けとなるようにした。また、将来のX線等の利用を考慮し、装置の各方向の開口角を広くとっている。加圧空間を構成するアンビル先端のキュレット径は0.12 mmとし、下部マントル最深部の圧力を達成できるようにしている。今後は、この装置を活用して、超高圧下での変形実験を遂行していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規に開発した装置の導入が遅れたため、当初計画していた、低圧での予備的実験の遂行が為されていない。
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Strategy for Future Research Activity |
低圧での予備実験を行うとともに、回転機構を制御するユニットの作成を行う。これにより、スムーズかつ安定した変形が可能となる。これらの、技術的および装置に関する準備がととのった後、最下部マントルに相当する温度・圧力でポストペロフスカイトの変形を進めていく。
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Research Products
(6 results)