2017 Fiscal Year Annual Research Report
U-Pb dating of ultramafic rocks
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16K13910
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯塚 毅 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70614569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三河内 岳 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (30272462)
小澤 一仁 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90160853)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ウランー鉛年代 / 輝石 / 超塩基性岩 |
Outline of Annual Research Achievements |
固体地球惑星の進化を解明する上で,地殻-マントル岩石の形成年代を高精度で決定することは必要不可欠である.ウラン-鉛年代法は数ある同位体年代法の中でも,非常に高精度且つ信頼性の高い年代を与えるため,これまでに多くの酸性~塩基性岩のウラン-鉛年代測定が行われてきた.しかし,地球のマントル~地殻や多くの隕石を構成する超塩基性岩のウラン-鉛年代測定は,未だに殆ど行われていない.これは,超塩基性岩のウラン含有量が非常に低いことに因る.本研究では,ウランを極微量しか含まない岩石試料の高精度ウラン-鉛年代測定法の確立を目指した. この目標に向け,超塩基性岩試料から非放射性鉛を除去する酸洗浄法を確立した.様々な種類の酸を用いた酸洗浄において,種々の鉱物がどのように挙動するかを特定し,その結果に基づいて超塩基性岩に最適な酸洗浄法を決定した.さらに,この酸洗浄法をカープバールクラトン・バーバートングリーンベルトに産出するコマチアイトおよびピルバラクラトン・ノースポールに産出する玄武岩中に含まれる輝石に対して適用し,年代測定を試みた.その結果,それぞれの試料から3294+/-310 Ma(バーバートン,コマチアイト),3313+/-14 Ma(ノースポール玄武岩)の鉛-鉛年代を得た.これらの年代は先行研究の全岩から得られたサマリウム-ネオジウム年代とも調和的であり,さらにより高精度であった.太古代グリーンベルト帯のマフィック岩に関する鉛-鉛年代の報告例は現在のところほとんど存在しないが,これらの結果は単斜輝石の鉛-鉛年代がこれらの地域に産出するマフィック岩に対して広い適用可能性を有していることを示す.
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