2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of coherent microscopic spectroscopy based on degenerate-four-wave-mixing
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16K13940
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
長澤 裕 立命館大学, 生命科学部, 教授 (50294161)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超高速分光 / 顕微分光 / 時間分解分光 / 縮退四光波混合 / フェムト秒 / 核波束運動 / レーザー分光 / 光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
光合成の光化学系II反応中心(PSII)の結晶について、フェムト秒時間分解過渡吸収顕微分光による予備実験を、岡山大学および関西学院大学のグループとの共同研究で行っている。PSII微結晶は、オイルバッチ式サンドイッチ結晶化法で作成した。この方法では、二枚のカバーガラスの間にPSII溶液を挟み込んで固定し、これを軽質パラフィンオイル中に沈めて放置し、結晶化させる。これを顕微鏡下で観察すると、直径100マイクロメートル程度の結晶が多数確認されたが、このサイズの結晶はプローブ光が透過しなかった。そこで、約10 マイクロメートルの薄い微小結晶を選択し、C-MOS検出器を利用して、時間分解能30 fs程度で測定を行った。その結果、680 nm付近のPSIIの基底状態ブリーチが観測でき、過渡吸収測定には成功したが、散乱光強度が大きく、時間変化も観測されなかった。今後はCCDカメラ等を使用して、実験精度を上げていく。最終的には縮退四光波混合顕微分光によって、PSIIにおける励起子のコヒーレント過程を観測する。 縮退四光波混合によるコヒーレント顕微分光の測定には、再生増幅型チタン:サファイアレーザー励起の非同軸光パラメトリック増幅器(NOPA)を使用した波長可変測定系を現在構築中である。倒立型光学顕微鏡を除振台の上に設置し、レーザーパルスの導入を試みている。なお、この実験系は、二波長四光波混合の実験系と同時進行で構築しているので、完成すれば多角的な測定装置となる。また、四光波混合においては、最初の2つのパルスで干渉縞を生じ、三番目のパルスの回折光を測定する。この原理を応用し、複数の高強度レーザーパルスを対物レンズで集光すると、ガラス等に複雑な微細パターンを焼き付けることができる。そこで今後は、フェムト秒パルスレーザーのマイクロ加工による人工構造色形成実験にもこの実験系を応用していく。
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Research Products
(27 results)