2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of light-electron active ionic liquids
Project/Area Number |
16K13986
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
小林 由佳 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (80334316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 毅 東北大学, 理学研究科, 助教 (40519758)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イオン液体 / 光応答性 / 電子活性 / 電子デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン液体は,低揮発性や化学的安定性など,物質としての優れた特徴に加えて電気化学分野で特異な効果をもたらす電解質であることが知られている.イオン液体が単なる絶縁性電解質ではなく,光や電子機能性を併せ持つことができれば,有用な電気デバイス作成へと繋がる可能性を秘める基礎材料となることが期待される.そこで本研究では,電子および光に応答する機能を付帯したイオン液体(光/電子アクティブイオン液体)を新規に分子設計し,合成を行った.設計指針として,光に応答する部位と電子活性を促す部位の2つの異なる機能性を段階的に導入する戦略を試みた.まず,光応答性のアゾベンゼンユニットを組み込んだ分子を設計,合成し,様々なカウンター分子とのイオン液体へと導くことにより,幾つかのイオン液体において,紫外光照射下でtrans/cis体の異性化が室温条件で起きることを確認した.また,この反応を詳細に検討することにより,塩の状態で進行しやすい現象であることが明らかとなり,イオン液体の新しい特性を見出すことにも成功している.さらに,現時点の電気伝導性を確認するために,イオン液体の電気伝導性を4端子法にて精密に測定するための新規基板の設計と作製を行った.具体的には,ガラス基板に半円筒状の溝をエッチングした後に電流端子,電圧端子として金薄膜を蒸着した.その結果,この新基板を用いれば,マイクロリットルオーダーの小スケールのサンプルにおいても精密にイオン液体の電気伝導度測定が可能になった.今後は,カウンターとして電子活性部位を有するイオンを用いて,アゾベンゼンユニットを有するイオンとの塩を調整することにより,光と電子の両方に応答するイオン液体の合成を試みる予定である.
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Research Products
(3 results)