2017 Fiscal Year Annual Research Report
Environmentally friendly oxidation reaction system learned from barrel chemistry
Project/Area Number |
16K13991
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
間瀬 暢之 静岡大学, 工学部, 教授 (40313936)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グリーンケミストリー / 樽化学 / 多相系反応 / 気相-液相-固相反応 / 空気酸化反応 / アルコールの酸化的脱水素化 / 環境調和型合成 / 網羅的スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の全体構想である「未解明の自然現象を基盤とするグリーン酸化システムの構築」を達成するために、本研究開発において挑戦するポイントは2つある。 Stage 1:蒸留酒におけるエタノール空気酸化反応機構の解明 Stage 2:未知化学プロセス手法によるアルコール空気酸化反応の一般化 まずはこの2つのポイントに焦点を絞り、未知化学プロセスを解明し、アルコールの酸化反応の一般化を目指した。平成28年度にStage 1を検討した。樽の中で、どの物質が酸化反応機構に関与しているのか、さらにどの物質が酸化反応の場を提供しているかについて全く理解が進んでいない現状において、酸化反応が進行する条件の特定が課題であった。本反応は気相-液相-固相が関与した特異反応場での物質変換であり、それぞれの相に含まれる多種多様な物質が酸化反応に関与する。したがって、フラスコを用いた一般的な手法では特定するまでに長期間ならびに過度の労力を要する。そこでマイクロプレートをマイクロフラスコとして活用し、未知化学プロセスの条件特定を実施した。微量サンプルの網羅的スクリーニングにより、銅または鉄の金属イオン、酸素、リグニン分解物が共存するときにエタノールの酸化反応によりアセトアルデヒドが得られたことから、フェントン型反応によって生成している可能性が示唆された。平成29年度にStage 1で解明した酸化反応プロセスを、アルコールの酸化反応へと一般化するために種々の基質に適用した。具体的には1級ならびに2級アルコールの酸化によりアルデヒド類・ケトン類を合成し、本手法の特性ならびに優位性を評価した。その結果、水溶媒中でベンジルアルコール誘導体の酸化生成物が高転換率で得られた。以上、樽化学(Barrel Chemistry)を解明し、グリーン酸化システム(Green Oxidation System)を構築するための知見を得た。
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