2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Anti-Freeze Glycoprotein
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16K13992
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 哲男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40293302)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 不凍タンパク質 / フッ素 / トリフルオロメチルチオ / プロリン / 糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に合成を完了したフッ素を導入した糖ポリプロリン(フッ素化糖ペプチド)の不凍活性を評価した。実験は次のように行った。フッ素化ペプチドをショ糖濃度30%に調整し,温度制御顕微鏡ステージ上で急速凍結した後,-6℃まで一定の速度で昇温させ,-6℃で30分経過した氷結晶の様子を顕微鏡で観察した。その結果,期待どおり,設計したフッ素化糖ペプチドが不凍活性を示すことがわかった。さらに,フッ素化体と非フッ素化体で不凍活性に差があることを見出した。次に,合成したフッ素化糖ペプチドのCDスペクトルを測定したところ,設計通りα-ヘリックス構造を形成していることが強く示唆された。なお,ペプチドの溶解性に問題が残った。 そこで,水溶性向上を考え,糖部分の構造を変化させた化合物を合成することとした。市販の単糖,二糖を用い,アセチル化の後,プロパルギル化を行い,アセチル基を脱保護することで数種の糖フラグメントの合成を達成した。続いて,初年度で確立した合成法を用いて別途合成したアジド基を有する含フッ素糖ペプチドに対し,クリック反応を行い連結させ,糖部分の異なる含フッ素糖ペプチドの合成に成功した。 一方,分子の双極子モーメント向上を狙い,プロリンに脂溶性の最も高い官能基であるトリフルオロメチルチオ基を導入することを計画した。そのため,目的に叶うトリフルオロメチルチオ基導入反応の開発を検討した。その結果,CF3DASTを用いる手法により,α-トリフルオロメチルチオケトン類が首尾良く合成出来ることを見出した。本手法によりトリフルオロメチルチオプロリンが合成出来る可能性が高い。
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Remarks |
柴田研究室HP http://www.ach.nitech.ac.jp/~organic/shibata/index.html
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Research Products
(3 results)