2017 Fiscal Year Annual Research Report
Breakthrough to development of new reaction field for highly effective analytical chemolysis
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16K14019
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大谷 肇 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50176921)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 反応熱分解分析 / テトラリン / エポキシ樹脂 / 水素供与 / マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析 / 酸化物半導体触媒 / 二段式熱分解装置 / バイオマス |
Outline of Annual Research Achievements |
難分解性高分子試料の構造解析を可能にする、新しい反応熱分解GCの手法を解析するために、平成29年度は、前年度から継続して、エポキシ樹脂硬化物を主な対象試料として、テトラリンなどの水素供与性試薬共存下での難分解性高分子試料の反応熱分解メカニズムの解明を進め、新たな構造解析手法につながる可能性を検証した。その結果、エポキシ樹脂硬化物のテトラリン分解生成物には元の構造が反映されており、さらに分解の選択性を向上させることなどにより、テトラリンを用いた反応熱分解法を硬化樹脂の化学構造解析に利用できることが示唆された。さらに、もう一つの計画課題である「酸化物半導体の高温熱活性による樹脂試料のフラグメント化機構の解明」についても、二段式熱分解装置の使用により検討を行った。具体的には、酸化物半導体としては今日一般的に光触媒として使用されている酸化チタンに着目し、その高温における熱活性触媒の可能性を、セルロースやリグニンなどのバイオマスの熱分解・触媒分解のメカニズムを解析を通じて検証した。その結果、バイオマス分解の改質に一般に使用されているゼオライト触媒などにほぼ匹敵する効果を、高温における酸化チタンの熱活性により発現できることを実証した。特に、セルロースの熱分解後に触媒を段階的に作用させる方法においては、酸化チタンはゼオライト触媒よりも酸素原子を含まない成分の生成量が多くなる傾向が確認された。酸素原子を含まない生成物はエネルギー的により有利であるため、熱分解と触媒変換を段階的に行う場合には、酸化チタン触媒はゼオライト触媒よりも効果的であることが示唆された。
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