2016 Fiscal Year Research-status Report
単一分子核酸検出を実現するプラズモニック光応答バイオセンサーの開発
Project/Area Number |
16K14039
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山名 一成 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (70192408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 忠雄 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (60511699)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | DNA / バイオセンサー / プラズモン / 核酸検出 / 光電子移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
低コストかつ高感度な検出法である電気化学反応を利用した遺伝子検出バイオセンサーの開発が広く行われている。本研究では、光電流応答型の”超高感度”電気化学バイオセンサーの開発を目的として、DNAのハイブリダイゼーションによって近接した金ナノ粒子間に生じる増強近接場を利用した光応答システムの構築を行い、光電応答を電気化学シグナルに利用することで、PCRを必要とせず、極微量サンプルに含まれる数コピーの標的核酸(DNA, RNA)の直接検出を実現する革新的なバイオセンサーの開発を目的として研究を行った。特に、以下の項目に焦点をあて研究を進めた。1) 増強近接場光によって“超高効率”に色素分子が励起され電子移動反応が起こること、それにより光電流強度の著しい増幅が達成できることの実証。2)AuNP/DNA/色素複合体を組織化させたデバイスを作製し、光電変換システムの構築と核酸(microRNA)ターゲットの超高感度検出への応用。 DNAを表面修飾した金ナノ粒子(AuNP/DNA)を作製し、DNAのハイブリダイゼーションによって金電極表面にAuNP/DNAの単分子フィルムを構築した。金ナノ粒子のプラズモン吸収に対応する500nm付近の光を照射すると強い光電応答が生じることが分かった。また、アクションスペクトル測定から、プラズモン励起によって光電流が発生していることが分かった。さらに、光電荷分離を誘起する光応答分子のDNA中の位置や、使用した金ナノ粒子のサイズ、電極表面からの距離によって光照射時の光電応答が変化すること、また電場増強によって光電応答が大幅に強くなることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、DNAを表面修飾した金ナノ粒子の作製、ハイブリダイゼーションを利用した金ナノ粒子の集合体の作製、それらを金電極表面に固定した単分子フィルムの構築を行い、金ナノ粒子が存在することで、光電応答が大きく増加することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、最適な光応答分子の位置、分子の酸化還元電位、金ナノ粒子間距離、サイズ等についてさらに検討を行う。また、光電応答がより強く増強されるシステムを構築し、microRNAなどの短い核酸の微量検出バイオセンサーへの応用を検討する。
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Causes of Carryover |
計画していた研究成果発表を次年度(本年度)に変更し、また予定していた電気化学アナライザーの購入が不要になった。また、サンプル作製に必要な金ナノ粒子溶液やDNA合成試薬の使用量が想定よりも少なく、本年度に新たに購入する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果発表に必要な旅費、サンプル作製に必要な試薬の追加購入に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)