2016 Fiscal Year Research-status Report
シリコンナノシートへの機能性π電子系の導入と有機半導体としての応用
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16K14066
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
大下 浄治 広島大学, 工学研究院, 教授 (90201376)
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2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 有機無機ハイブリッド材料 / ナノ材料 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、シリコンナノシートへのπ電子系置換基の導入によって、全く新しいナノスケールの有機－無機ハイブリッド材料を創出し、そのπ電子系の高密度パッキングあるいはπ電子とシリコンナノシートのσ電子系との相互作用を利用して、キャリア輸送材料、センサ、光電変換材料などの有機電子材料へ応用の可能性を明らかにすることを目的としている。このため、まず、機能性色素が置換したシリコンナノシート合成法の確立を検討し、生成したナノシートの光物性を評価した。
１．層状シリコン（(SiH)n）上へのπ電子系置換基の導入法として、芳香族アミンの脱水素反応を採用して、有機基の導入を試み、オリゴチオフェン、カルバゾール、トリアリールアミンなどのドナーπ電子系のほかに、ピリジン、キノリンなどのアクセプター性π電子系の導入が確認できた。また、生成したナノシートの赤外・紫外・発光スペクトル、AFM、XRDなどの解析を駆使して、確かに、表面が芳香族置換基で修飾されていることを確かめた。さらに、シリコンナノシートの光電子移動、エネルギー移動について検討した。
２．今回合成したシリコンナノシートおよび以前に合成を達成したベンジルアミン、ナフチルメチルアミンで修飾したナノシートに関して、それらの薄膜のトランジスタ特性と光電変換特性を評価したところ、トランジスタ特性は発現できなかったが、光電流を観測できたナノシートもあり、光電変換材料としての可能性が明らかになった。
３．モデル化合物のDFT計算にも取り掛かった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた計画に従って、相応の成果を得た。シリコンナノシートの合成実験に多くの時間を割いたため、合成した全てのシリコンナノシートの評価には至らなかったが、複数のナノシートに対して、トランジスタ特性と光電変換特性を調査し、光電変換材料として期待できることを明らかにした。合成に関しては、ヒドロシリル化よりもアミノ化の方が有効であることを見出し、予定していたπ電子系の導入にほぼ成功した。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って、シリコンナノシート上のπ電子系置換基のバリエーションを増やしていくほか、グラフト化、異種π電子系の導入も視野に入れて検討を続ける。
機能材料への展開については、H28年度の成果をもとに、トランジスタ特性よりも光電変換に重点をおいて、研究を進める。
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| Causes of Carryover |
計画に従って研究を行い、相応の成果を得たが、シリコンナノシートの合成実験、特に条件検討に多くの時間を割いたため、当初予定していたほどのバリエーションでシリコンナノシート合成用の試薬を必要としなかった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
シリコンナノシートのバリエーションを増やすための合成用の消耗品費として利用する予定である。
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