2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of methane cage based on pai-space design
Project/Area Number |
16K14068
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
石原 伸輔 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (30644067)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メタン / 包接 / 吸着 / 分子カプセル / 超分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタンは燃焼ガス中の有害物質が他の化石燃料と比較して少なく、メタンハイドレードの掘削技術の確立によって将来的に国内生産が期待される次世代化学エネルギーであるが、輸送には高圧ボンベを用いるしかなく、一般社会に広く普及させるには安全性に課題がある。メタンは化学的反応性に乏しく、メタンを選択的に吸着できる材料の設計指針はこれまで明確に示されてはいない。本研究では、メタン分子と吸着材料間の分子間相互作用を最大化することで、これまでにない革新的メタン吸着材料を創成することを目的としている。メタン吸着材量が実現できれば、水素貯蔵合金のように、可燃性ガスであるメタンを低圧で安全に輸送するための手段を社会に提供できる。 前年度に得られたモデル化合物のDFT計算や、単結晶X線構造解析を参考にして、π-π相互作用による自己集合がバルクな置換基間の立体障害によって抑制されたπ-ユニット含有ホスト分子を合成した。前年の結果では水溶液中でのメタン包接が困難であったため、今年度は二次元層状化合物層間にπ-ユニット含有ホスト分子をインターカレーションし、次元規制されたナノ空間でのメタン包接を試みた。インターカレーションを可能とするため、π-ユニット含有ホスト分子を化学修飾し、イオン交換によってインターカレーションを行った。湿度コントロール下の粉末X線構造解析によって、層状化合物の底面間隔が大きく増加しており、インターカレーションの成功を指示した。文献を参考に自作したメタン吸着評価装置を用いて、室温下、常圧から7気圧までの範囲にて、π-ユニット含有ホスト分子をインターカレーションした層状化合物のメタン吸着特性を評価したが、有意の吸着現象は観察できなかった。今後、更なる条件の最適化や層間におけるπ-ユニット含有ホスト分子の配向について検討する予定である。
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