2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K14101
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西原 禎文 広島大学, 理学研究科, 准教授 (00405341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 彰吾 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 研究員 (10749972)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | イオン交換 / イオンチャネル / [Ni(dmit)2] / 分子トランジスタ / 分子エレクトロニクス / ドーピング |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 本研究では,溶液中に浸された結晶の電気伝導度を,同溶液内に存在するイオン種によって制御できる分子トランジスタの開発を目指す.本素子の開発には,クラウンエーテルによって形成されるイオンチャネル構造と,局在電子系を形成する[Ni(dmit)2]が共存した物質を用いる.我々はこれまでに,イオンを含んだ水溶液に本系を浸すと,チャネル内部のイオンと水溶液中のイオンを結晶状態で交換できることを明らかにしている.そこで本研究では,この結晶に電子受容性あるいは供与性イオンを導入することで,[Ni(dmit)2]相の電子状態を制御し,絶縁/導電性をスイッチできる新しいタイプの分子トランジスタを目指す. 【当該年度の実施計画と成果】 我々はこれまでに,イオンチャネル構造と局在電子系が共存した物質の作製に成功している.例えば,クラウンエーテルとして[18]crown-6,金属イオンとしてリチウムイオンを選択したとき,Li2([18]crown-6)3[Ni(dmit )2]2 (1塩)の単結晶を得ている.本系を塩化カリウム水溶液に浸したところ,チャネル内部のLi+イオンが全てK +イオンに交換されることを, IRスペクトル,電子線マイクロアナライザ,ICP発光分光分析から確認した.そこで当該年度は,Cu2+イオン以外の金属イオンとの交換を試み,IR測定やEPMA測定,電導度測定などの基礎物性を評価することを目標とした.具体的な成果として,Zn2+イオンやCs+イオン,Co2+イオンなどへの交換に成功し,これら試料の組成をEPMA,IR,ICP発光分析などから明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の目標として,Cu2+イオン以外の金属イオンとの交換を試み,IR測定やEPMA測定,電導度測定などの基礎物性を評価することを目標とした.実際,Zn2+イオンやCs+イオン,Co2+イオンなどへの交換に成功し,これら試料の組成をEPMA,IR,ICP発光分析などから明らかにしたことから,当初の研究通りに進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として,電子受容性イオンとして電子供与性イオンを繰り返し交換できるイオン種の組み合わせを探査し,最終的にはホール-電子ドーピングによる絶縁化/遍歴化が繰り返し行える「イオンスイッチ分子トランジスタ」を実現する。例えば,1塩に電子供与性イオンを導入し遍歴化した系に,電子受容性イオンを導入することで再び絶縁化することが可能になる.これを繰り返すことで,1塩の電気伝導パスを開閉できる.具体的には,母体結晶に対してホールドーピングを行い,局在電子系の遍歴化を達成する.次いで,この結晶に対して電子供与性イオンを導入する.これにより,ホールドープされた結晶に再び電子ドープを行うことが可能になり,再び絶縁化が起こると考えられる.更に,この系に再びホールドープを行い遍歴化する。一連のホール-電子注入を繰り返し,「イオンスイッチ分子トランジスタ」の繰り返し性能を評価する.
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Causes of Carryover |
当該年度に導入を計画していた機器の納入時期が大幅に遅れることが予測されたため,これを次年度に繰り越したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に導入を計画していた機器を本年度導入するため,使用計画に大きな変更はない.
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Research Products
(60 results)
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[Journal Article] Synthesis of ε-Keggin-type Cobaltomolybdate-based 3D Framework Material and Characterization Using Atomic-scale HAADF-STEM and XANES2017
Author(s)
T. Igarashi, Z. Zhang, T. Haioka, N. Iseki, N. Hiyoshi, N. Sakaguchi, C. Kato, S. Nishihara, K. Inoue, A. Yamamoto, H. Yoshida, N. Tsunoji, W. Ueda, T. Sano, M. Sadakane
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Journal Title
Inorg. Chem.
Volume: 56
Pages: 2042-2049
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Synthesis, Characterisation, and Structure of a Reduced Preyssler-Type Polyoxometalate2017
Author(s)
C. Kato, K. Y. Maryunina, K. Inoue, S. Yamaguchi, H. Miyaoka, A. Hayashi, M. Sadakane, R. Tsunashima, S. Nishihara
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Journal Title
Chem. Lett.
Volume: 46
Pages: 602-604
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Collective resonant dynamics of the chiral spin soliton lattice in a monoaxial chiral magnetic crystal2017
Author(s)
F. J. T. Goncalves, T. Sogo, Y. Shimamoto, Y. Kousaka, J. Akimitsu, S. Nishihara, K. Inoue, D. Yoshizawa, M. Hagiwara, M. Mito, R. L. Stamps, I. G. Bostrem, V. E. Sinitsyn, A. S. Ovchinnikov, J. Kishine, and Y. Togawa
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Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 95
Pages: 104415-1-5
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Orthorhombic distortion and orbital order in the vanadium spinel FeV2O42016
Author(s)
S. Kawaguchi, H. Ishibashi, S. Nishihara, S. Mori, J. Campo, F. Porcher, O. Fabelo, K. Sugimoto, J. Kim, K. Kato, M. Takata, H. Nakao, Y. Kubota
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Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 93
Pages: 024108-1-9
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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