2018 Fiscal Year Research-status Report
誘導加熱を用いたジルコニアセラミックスの積層造形技術に関する研究
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16K14128
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木崎 通 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (30771901)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジルコニア / 誘導加熱 / 焼結 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,誘導加熱の原理を用いたジルコニアセラミックスの積層造形技術を提案することであり,2018年度は主にジルコニアセラミックスの加熱方法について重点的に検証した.2018年度までに,イタリアのCeia社が開発・製造しており,日本ではエス・エー・ジャパン株式会社が販売している小型誘導加熱装置"SPW900/56"を導入し,ジルコニアセラミックスの加熱実験を実施した.当初は高温環境におけるジルコニアセラミックスの導電性を利用して,誘導加熱によりジルコニアセラミックスを昇温させることを試みたが,結果として想定した通りには加熱できなかった. 一方で鉄製の導電性材料をジルコニアセラミックスの周囲に配置し,ジルコニアセラミックスを間接的に加熱することには成功した.通常,レーザ等を用いて局所的に加熱すると,熱応力によりセラミックス中にクラックが生じ割れてしまうが,本方法では割れることがなかった.これは周囲から均一に加熱されることで材料中に圧縮応力が生じたためであると考えられる.誘導加熱装置は最大出力5.6 kWであるため,セラミックスを数秒で1000℃以上に加熱することができた.短時間でクラックを発生させることなくジルコニアセラミックスを加熱可能であることが分かったため,本方法はセラミックスの焼結にも有効であると考えられる. 今後はジルコニアセラミックスの粉体を付着させた状態での焼結を試みる.想定される課題としては粉体を均一にセラミックスの核の周囲に配置することが挙げられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
はじめに考えていた原理がそのままではうまくいかないことが判明し,代替策を考案するのに時間を要したため.
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Strategy for Future Research Activity |
ジルコニア粉体を用いて焼結実験を実施する.結果として形成されたセラミックスの微細構造や品質を評価する.さらに焼結のメカニズムをシミュレーションを用いて検証する.
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Causes of Carryover |
はじめに提案していた方法ではうまくいかないことが判明し,その代替策の考案に時間を要したため.粉体を配置するための装置といった周辺機器を今年度購入する.
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