2016 Fiscal Year Research-status Report
極低周波数域の振動を援用したチタン合金の高能率ドライ切削加工
Project/Area Number |
16K14134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉原 達哉 大阪大学, 工学研究科, 助教 (90637539)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 切削加工 / 高速切削 / 振動切削 / トライボロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,航空・宇宙分野を中心として需要が急増しているチタン合金は,切削加工が極めて困難な代表的な難削材として知られており,特に加工点温度が高温となる高速切削加工や切削油剤を用いないドライ加工においては,著しい工具摩耗が発生する.そこで,本研究では,従来の振動切削加工法の限界を打破しうる新たな加工方法として,数Hz程度の極めて低い振動数域の振動を援用した振動切削加工法(極低周波振動切削加工法)の提案,開発を行うことによって,チタン合金の高能率ドライ加工を実現しうる新たな振動切削加工法を構築することを目指している. そして本研究では,主に以下の項目からなる研究を遂行することで,極低周波振動切削加工という新たな加工方法の基礎的な特性把握から,最終的な実用化展開への目途の明確化までを行う.(1)NCプログラムと工作機械数値制御軸を駆使した任意の振動波形を生成するための手法の構築,(2)チタン合金のドライ切削加工における極低周波振動切削加工法の基礎特性評価,(3)切削温度・切削抵抗の評価,不活性ガス環境化での加工実験による摩耗抑制メカニズムの解明,(4)1振動中の実加工時間/非加工時間の影響に着目した振動波形の最適化,(5)極低周波振動の付与による新たな機能の獲得,(6)他の難削材加工への展開や極低周波振動切削用の切削工具の提案・開発
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではこれまでに,NCプログラムと工作機械数値制御軸を駆使した振動波形生成手法を確立し,提案手法がチタン合金の高速切削加工条件において,優れた摩耗抑制効果を発現することを明らかにすることができた.さらに,摩耗抑制メカニズム解明のための実験や,振動条件の最適化についても取り組みを開始しており,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,磨耗抑制メカニズムの解明,ならびに振動波形の最適化に取り組む.さらに,振動波形の自由度が高いという本提案手法の利点を活かし,新たな機能の獲得や他の難削材加工への展開を図ることによって,本提案手法のフィージビリティの拡大を目指す.
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