2016 Fiscal Year Research-status Report
生体適合素材でできた発熱ナノ粒子の発熱性能制御と単一粒子発熱量実測への挑戦
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16K14136
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
生津 資大 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90347526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 修吾 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60743953)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自己伝播発熱素材 / ナノ粒子 / 機能性材料 / 多孔質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度となる平成28年度,スプレードライ法を用いて様々な空隙率,空孔径,粒径を持つ多孔質シリカナノ粒子の作製技術の確立を目指した.シリカゾルは直径10nmの市販品を採用した.ポリスチレンビーズは一定粒径のものが大量に必要なため,自作することとした.そのための情報収集と技術構築を行い,結果,直径80~400nmの範囲で標準偏差10nm未満の均一なポリスチレンビーズの量産技術を確立することができた. スプレードライ法では,霧化時の振動数,窒素流量,5ゾーン電気炉の温度分布を変化させて多孔質シリカナノ粒子の形状と寸法など,目視評価を行った.その結果,今回の実験範囲ではこれらいずれのパラメーターの影響も小さかった.一方,シリカゾルとポリスチレンビーズの割合ならびに濃度を種々変化させ,混合してゾルを作り,多孔質ナノ粒子を作製した結果,様々な形状寸法,空孔数,空孔径の微粒子を作製することができた.ポリスチレンビーズの濃度が3wt%程度で,正配列多孔質微粒子を製造できることがわかった.その他の条件の依存性は小さかった.さらに,2種類の異なる粒径をもつポリスチレンビーズを混合させて粒子作製した結果,大小の空孔が規則正しく正配列した多孔質シリカ粒子を作ることができた.粒径の制御が課題であり,作製時の制御ができれば最良だが,できない場合はサイクロン方式などの分級技術を導入する必要がある. また,幾つかの方法でシリカ中に含まれる酸素量を低下させることに成功した.粒子形状を崩さずに還元する技術の構築が課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スプレードライ法で様々な空隙率と空孔径を持つ多孔質シリカ粒子の製造技術が確立し,綺麗に空孔が配列した多孔質シリカナノ粒子の製造条件を特定することができた.粒径の制御が課題であるが,これはサイクロン分級方式を霧化直後と粒子製造直後の2箇所に配置することで解決可能と考えており,今後の課題である.また,シリカ粒子の還元方法の検討を行った.溶融塩などで還元を今後試みる予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
多孔質シリカナノ粒子の製造技術の最適化を概ね行うことができたので,平成29年度は以下の実験を行う予定である. (1) 粒子の多孔性を維持したまま多孔質シリカナノ粒子の還元を行う技術の模索・構築と確立 これまでの予備実験で,多孔質シリカナノ粒子を適度な条件で真空アニールすると,表面がシリカゾルの集合体からシリカシェルに変化することがわかっている.これを利用して,還元時に崩れにくい多孔質シリカナノ粒子を作る.また,還元実験技術構築も目指す. (2) 多孔質シリカナノ粒子の空隙部分に異種金属を充填するための技術開発 通常のスパッタ技術や他の技術を用い,サブミクロンサイズの空孔内部に異種金属を析出させる技術を構築する.最初は粒子表面の被覆を確実に実施可能な技術構築を目指すが,それが確立した後,表面ではなく空孔内部のみに析出させる技術の構築を目指す.
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Research Products
(2 results)